第63話 アデル、ブルーは熱い色
2013年のフランス映画です。
ずいぶん長々とアデルの生き様を見せられて、どうもこの映画のタイトルがしっくりこなかったが、最後にフランス語で映画の原題“La vie d'Adele”(アデルの人生)が出て、やっとこの映画がまさに“腑に落ちた”。
最初は高校生のアデルが男の子とのセックスに満足できず、次第に自分は女の子が好きなのだ、ということがわかってきて、やがてエマとの出会いがあって、エマとの生活、自分の幼稚園の教師という仕事、など、アデルの人生と、エマとの関係が綴られていく。
セックスシーンについては、西欧より1世紀遅れている(言い過ぎ?)日本だから、修正の手が入り、別にショッキングとは思わなかった。
それよりも、俳優たちがモノを食べる時の下品さなどの方が余程印象に残っている。
私はよく家でパスタを食べる時、食べ方が下手だと妻や子に注意されるので、気を付けているが、この映画の出演者たちはそれがとてもひどく、私などはそれに比べれば優等生だ。
もうひとつ印象的なのは、なんとも生々しい、出演者たちのキスシーンである。
昔の映画のキスシーンというのは、観客をして『こんなキスがしてみたい』と思わせるようなものだったが、この映画の愛欲に満ちた濃厚なキスシーンはどうだろう。
こういうのが好みの方もいらっしゃるのだろうが、私などはやはり古い人間なのか、どうも馴染めなかった。
そして最後に、なんともアデルが孤独で痛々しかった。
人類の半分を占める男でさえ、その中から好みの人を見つけるのは女性にとって難しい事なのに、自分と同じレズピアンの女性から、好みの人を見つけるのは本当に難しいのだろう。
でも、アデルはまだ若い。
きっと素敵な女性に巡り会えるよ。
そんなことを、最後につぶやきたくなった。
カンヌ国際映画祭では、監督だけでなく、主演の2人にもパルムドールが贈られる異例の授賞となった。
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