えんやこらせーどっこいエッセイ

作者 三木 満智子

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★★★ Excellent!!!

第4話についてコメントします。

「第4話 葬れん行列」は、作者が実際に経験した地域の風習を書き綴ったエッセイですが、ふと、民俗学を根底にしたファンタジー作品を読んでいるかのような錯覚に囚われます。

そもそも、作者のこの文章の書き方は、ノンフィクションでありながらフィクションの世界に浸ってしまうような、夢と現の境がわからなくなる印象を読者に持たせます。

それは、作者が、題材にした風習の主人公の視点ではなく、傍観者としての視点で書いているので、読者もたまたまその時代のその場所に立ち寄っただけの傍観者として、この光景を見てしまうからかもしれません。

おそらく作者はそのような意図で書いているのではなく、意識せずに普通に書いているだけだと思いますが、その純粋さによって、読者は日本人が辿ってきた古い営みを不意に垣間見たように感じてしまう気がします。

ノンフィクションとフィクションは紙一重だと思います。エッセイとして書かれている20年前のこの光景の片隅に、何か不思議な存在が見えてしまうような感覚に陥りながら読みました。