第61話 倒れてしまった。


 それではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾



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 月曜日の飲みが終わってからは、俺は大きなプロジェクトのため連日の残業をしていた。正直終電が続いている。期限はまだ先だが、規模がとてつも無く大きく、他の銀行と共同で投融資する事となっている。そのため調整などにかなりの労力を要している。


 そして今日は木曜日。今日乗り越えれば明日だけで終わりで休日になる。そのためフラフラしているけれど、自販機で栄養ドリンクを買い、それを飲んで頑張ろうとした。


 すると頭のフラフラ感がとても強くなってきて、とても立っていられなかった。俺は視界が暗転してきて、多分床に落ちたんだろう。そこからは記憶が完全に無い……



 気がついた時には俺はベッドの上にいた。ここは何処なんだろうか。異世界転生したのかな? 何かチートスキルでも有れば無双出来るんだけどと考えていたら、隣から大声で叫ばれた。


 彩だった。じゃあ異世界転生はしてないみたいだ。


『康太君……会社で倒れたんだよ……大丈夫だった……?』


 彩が泣きながらそう尋ねてきた。ああ、そうか。俺は会社で倒れてそこから意識が無い。多分救急車で運ばれて今病院にいるのか。


『そうだったんだ…… それじゃあ誰が俺を助けてくれたんだ?』


『それは……長友さんと早乙女さんが……さっき帰ったけど。』


『そうなんだ、後でお礼を言わなくちゃ。てか俺は何の病気なの?』


『それは安心して。ただの過労だって。数日安静にすれば良くなるから。土曜日のデートは無しで私は今日から看病するからね。』


『いや、それだと撮影が遅れるんじゃ……』


『大丈夫だよ、7月から始まるドラマで余裕をもって4月から撮ってるわけだし。もう半分以上撮り終わってるからリフレッシュを兼ねて1週間全員休みになったよ。』


『ああ、そうなんだ。迷惑かけて済まんな…… とりあえず看護師呼んでくれるか? 目を覚ましたって連絡した方がいいと思う。』


『あ、たしかにそうだね。呼んでくるね。』


 彩は部屋を出て看護師を呼びに行った。改めてこの部屋を見てみると、誰もいないしめちゃくちゃ広い個室だ。彩が気を使って高い部屋に入れてくれたんだろう。申し訳ないな……


 それに早乙女さんと長友さんにもお礼を言わなくちゃな。さっき帰ったってことは救急車にまで乗って来てくれたって事だしな。


 俺はとりあえず上半身を起こしてスマホをチェックした。案の定早乙女さんと長友さんから連絡がきていた。それに一応ではあるが健からも。それと会社用のスマホには部長や課長からもきていた。


 それぞれに迷惑かけた事と一応目を覚ました事を連絡し、お礼をしておいた。また会社で菓子折りでも持っていくつもりだけど。


 それと部長や課長の方からは1週間休暇を取っておいたと連絡がきた。有給休暇では無い形ではあるし、大きなプロジェクト中なのにここまでしてくれてありがたい。


 暫くすると彩が看護師を連れて帰ってきた。


『児島さん、大丈夫ですか?』


『はい、今は特に問題ありません。』


『そうですか。一応先生の見立てでは明後日あたりにはもう大丈夫だそうですが、土曜日に退院の手続きが出来ないので月曜日まで入院という形になります。


 それと今日は点滴をしておくので、無くなった際はそこの呼び出しボタンで看護師を呼んでください。点滴が終わってからはトイレなど自由に動いてもらって構いませんので。』


『ありがとうございます。』


『はい、それじゃあお大事にしてください。』


 そう言って看護師は退室した。また2人きりになった。


『彩は今日どうするの?』


『とりあえず康太君が無事だと分かったから今日は家に帰ろうかな。また明日の朝になったら来るよ。』


『ああ、そうだな。その……ありがとうな。わざわざ俺のために。』


『気にしないの!私は一応康太君の妻だから!これも妻の務めだよ。』


『ああ、それでもありがとうだ。これからもよろしくな。』


『ええ、もちろんよ。それじゃあ私は家に帰るからね。ゆっくりしてなよ?』


『うん。それじゃあな。』


『ばいばい、また明日ね?』


 彩はそう言って家へ斉藤さんの送迎で帰っていった。とうとう1人になってしまった。


 てか早乙女さんと長友さんと彩が鉢合わせしたってことはなんかあったっぽいな。偽装結婚知っている人達だし。何か変な事になってなきゃ良いけど……


 そんな事を考えながら1人でベッドの上に寝ている。結構孤独だな。いつもは2人で暮らしてたからそっちに慣れてしまった。


 彩の存在って俺の中で結構大きな存在になってたんだと改めて気がついた。


 俺は早く明日になって夜の病院や1人の孤独から解放されたいと願っていたのだった。



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