第52話 早乙女さんがいつもと違った。


 時間が不定期になっています、また1日1本投稿になってます。ご容赦ください……


 それではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾



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 王様ゲームが印象に残りすぎたが、お宅訪問がメインの休日が終わり、俺はいつも通り会社に出勤している。


 月曜日なので恒例の朝会が終わり、課でのミーティングをしている。


 またこれもいつも通りで、30分程度で終わった。


 そして俺がミーティングルームを出ようとしたその時早乙女さんに呼び止められた。


『児島君、ちょっと個人的なお話がしたいから、仕事が終わってから2人で飲みに行かない?』


 今日の夜か……彩はまた撮影が忙しくなってるから夕食はいらないって言ってたな。まあ良いだろう、早乙女さんにはお世話になってるし。


『ええ、大丈夫ですよ。個人的なお話って何ですか?』


『それはね、内緒かな?』


『はあ、わかりました。今日は7時ぐらいに終わると思います。』


『了解、私もそれぐらいに終わらせるわ。』


『わかりました。それじゃあ仕事に戻りますね。』


『うん、お仕事がんばってね!』


『は、はい。ありがとうございます……。』


 なんかいつもの早乙女さんと違うんだよな……。いつもはもちろん良い人なんだけど、今日はやけにフランクと言うかなんというか……。まあ良いか。


 俺は長友さんの教育係も終わり、黙々と1人で仕事をしていた。


 教育係はそれはそれでしんどいけど、普通に同じような仕事ばかりもまたしんどいな。


 ひと段落した後背伸びをしていてると早乙女さんがコーヒーを持ってきてくれた。


『お疲れ様、児島君!はい、コーヒー。仕事頑張って偉いよ!』


『は、はい。ありがとうございます…。あの、なんかありましたか?いつもと少し違う気がするんですけど…。』


『え、そんな事はないわ。私はいつも通りよ。』


『そうですか、それなら良いんですけど…。』


『そうだ、夜も飲むけど今からお昼ご飯はどう?もちろん私が奢るよ。』


『それじゃあお言葉に甘えてご一緒させて頂きます。』


『やった…。んんっ、そうね、あそこの和食でも行きましょうか。』


『良いですね、それじゃあ行きますか!』


 まあ今まで誘われた事もなかったのに今日昼夜で誘われるなんて確実に何かあったよな。でも早乙女さんとご飯食べれるなら良いや。


 そうして俺達はオフィス街にある和食屋に来た。ランチタイムなだけあり周りもサラリーマンでごった返ししていた。


『うわ、すごい人ね。いつも食堂で食べてるからこんなに混むなんて知らなかったわ。』


『ええ、僕もですよ。まあ少しくらい待てば食べれるんでゆっくりしてましょう。』


『児島君は大人ね。私はそういうところ好きだよ。』


『えっ……それはどういう意味ですか…?』


『ん?好きはそのままの意味だけど?』


 そう早乙女さんは言いながらニコッと微笑んだ。めちゃくちゃ可愛い……


『はあ、そうですよね。ありがとうございます…。』


『照れないでよ。私まで恥ずかしくなるじゃん…。』


『まあ、その早乙女さんに言われると流石に……その……。でも妻がいるのであまりからかわないでいただけると……。』


『まあ、そうよね。ごめんね?』


『いや、全然大丈夫ですよ……。』


 早乙女さんの魅力はとてつもない……すぐにでも陥落しそうだ……。でも偽装結婚しているんだから陥落してはダメだけど。


 そして注文したランチセットが届き、2人とも食べ始めた。


 早乙女さんはランチを食べながら、何故か俺ばかり見てくる。視線が合うとまたニコッと微笑んでくる…


 限界だった……。俺は急いで食べて完食した。そしてトイレへ行った。視線が合わずに済むために。


 トイレから帰ってくると早乙女さんはお会計を済ませて俺を待っていた。


『すみません、トイレに行っている間にお会計までしてもらって……』


『気にしないで良いのよ? 夜飲むのに誘ったからそのお礼よ。』


『ありがとうございます!それじゃあ会社帰りますか。』


『ええ、帰りましょうか。』


 そうして会社に帰り、黙々と仕事に取りかかった。早乙女さんのことを出来るだけ考えないように……


 仕事が終わり7時になった所で早乙女さんが俺のところに近づいて来た。


『児島君、仕事は終わった? そろそろ飲みに行きましょう?』


 何故か隣で長友さんが睨んでいるけど……


『あ、わかりました。用意しますね!』


『ふふっ、待ってるわね。』


 俺は片付けをし、早乙女さんのところへ向かった。


『お待たせしました。今日はどちらに行きますか?』


『ん、それはね、あそこの居酒屋かな。』


『ああ、わかりました。良いところですよね、おつまみ美味しいですし。』


『そうね、あそこの個室予約してるの。児島君も周りに見られるのはちょっと嫌かなって思って。それじゃあ行きましょう。』


 ああ、なるほど。俺は一応美川彩の夫だから2人で女の人と飲んでるのはまずいのか。まあ同僚なら大丈夫だと思うけどね。


 そして居酒屋につき個室に入った。


『わざわざ個室なんてありがとうございます。それで今日のお話って言うのは?』


『ああ、そうね。まあ驚かずに聞いてほしいんだけどね。』


『あ、はい。大丈夫ですよ。』


『私、この前の児島君のお家で美川さんと白鳥さんがある話をしているのを聞いちゃったのよ……』


『ええ、それはどんなお話で?』


『それはね……児島君と美川さんが偽装結婚しているってことなの……』


 俺は開いた口が塞がらなかった。とうとう身内以外にバレてしまったのか……


 俺が驚いている一方で、昼と同様に俺に向けて微笑んでくれる早乙女さんであった……



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 今新作を執筆中です。来週あたりに投稿するので是非読んでください!


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