エンディングの章○更に先へ。

第268話 私は少しだけ世界に手を出した。

ファーストガーデンは世界中の絶景を集めて作ったような世界で、咲き乱れる花畑やオーロラ、海に沈む夕日の綺麗な浜辺や朝日の綺麗な山、降り注ぐような星空を楽しめて漁業や農業も体験できるとても素晴らしい世界。

世界観は古き良き時代を意識して作られている。

セカンドガーデンはファーストガーデンの絶景を活かして、恐ろしい魔物との戦いに主軸を置いた世界。

世界観はファンタジーと現代、古き良き時代が合わさった世界。


それらを基に作られたサードガーデン。

セカンドガーデンの魔物との戦いに主軸を置いた世界を更に発展させた世界。

世界を完全にファンタジー一色にする事でセカンドガーデンにあったような食事や街並みは無くなっている。

代わりにスタッフとプレイヤーのような分かり易い関係も無くなっている。

言えば全員平等に近い。



3月31日 午後11時55分

ようやく後数分でサードガーデンが始まる。

プレイヤーの事前登録は終わっていて、4月1日の0時からプレイヤーのログインが始まる。

私は第3の神として世界の創造を見させて貰った。

東さんの作り方は生命の誕生から世界を創造して時間を進めていた。


9月1日に世界を作り始めた東さんは、最初は1時間をサードガーデンの1年にして生命の進化を見届けた。

2月の頭までで約150日間、3600年を使って1から魔物も作った。

その頃には大地の形も出来上がっていて、人の数もかなり増えた。

成長の中で文明に舵を切らないように、ファンタジーの世界から逸脱しないように工夫もした。

そしてこの世界の人達は危険な魔物との生活が当たり前となっていて、ジョマの目指した世界が実現できても当たり前なので誰も困る事は無かった。


続いて2月からは地球の神様と話をしていた。

プラススタッフとマイナススタッフを加えた。

この頃からサードガーデンは1時間が1年から1日が1年に変えていた。


そして私は時間操作の力を使って第3の神、調停の女神チィトとしてサードガーデンに降り立った。

この頃には既に東さんは創造の神イィトとして世界や人を導いていたし、ジョマも装飾の神ジィマとして世界を輝かせていた。


そして私は少しだけ世界に手を出した。

インフラ整備に力を入れて、衣食住…お風呂やトイレ、衛生面は日本人の基準に合わせた。

東さん達は最初のうちは理解に困っていたが、プレイヤーの事や私が世界に降りた時にトイレもロクにない暮らしは出来ないしサードの成功を妨げると言って説得をして押し通した。

そして先日のプレオープンのテストプレイ後のアンケートで「ファンタジー要素の強い世界でトイレやお風呂が心配でしたが自分達の常識通りで助かりました」と書いてあって納得して貰えた。


サードガーデンではプレイヤーとスタッフの見分けを付けなかった。

まあスタッフ側は見分けられるのだが、プレイヤー側からは何も分からなくした。


そしてログアウト中にもプレイヤーが設定した範囲で仕事もすれば魔物も倒すし食事などもするのでサードの人達はセカンドのように意識する必要は無くなった。


プレイヤーは死んだら、装備とお金だけ引き継いで新しく世界に来てもらうことにしたがプレオープンのテストプレイでは概ね好評価だった。



さて、サードガーデンの話はこれくらいにしてあの8月末から今日までの話をしてしまおう。

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