第237話 ただのお友達ごっこで首を突っ込んできたの?

「ヘイ・ユー!俺のフレンドに何してくれちゃっているんだい?」

人脈の神が私に突っ込んできた。


「は?見てなかったの?私の大切な人たちを侮辱したから後悔して貰ったの」


「俺達はジャスティス!正義なのに暴力を振るうなんてマジあり得ないぜ!」

一つ一つが面倒くさいなー。

話聞かないでボロ雑巾にするのはダメかな?


「悪いのはこのま…」

「ま?」


私の髪は一瞬で真っ赤に光り輝く。


「…女神だぜ?女神が世界を滅ぼしたから言われているんだぜ?わかるかいお嬢ちゃん?」

人脈の神は慌ててジョマを魔女と呼ぶのは止めていた。

ヘタレめ。


「じゃあアンタはジョマにどんな風に世界を滅ぼされたって言うの?」

私はさっきの2人のように論破してやろうと聞いてみた。


「…千歳様…、千歳様!」

「何ジョマ?」


「私、この人の世界に何もしていません」


まさかの状況。

え?何それ?本当にただのお友達ごっこで首を突っ込んできたの?

学校にもそういう奴がいるけどさ?


何コイツ、中学生か?


「はぁぁぁぁぁぁぁ?じゃあアンタはお節介で首突っ込んできているだけなの?」

「悪いかよベイビー!?」


あ、駄目だ。

コイツはバカなんだ。

バカの神様とかだったらジョマに選んで貰えたかもね。



「悪いんじゃなくて、どうしようもない無能って事じゃない」

「はぁ?」


「アンタ、話聞いていた?ジョマが手を出していた世界はジョマが手を出したくなるような魅力的な世界なの。

そこでボロ雑巾になっている戦神もそこで居心地の悪そうな酒神もそれなりに魅力的な世界だったの!

選ばれて可哀想なんじゃなくて選ばれない方が、手を出す価値無しってレッテルを貼られたダメ世界って事なのよ!そんなのもわからないの?神様なのに?

バカじゃないの?あ、バカの神様だったらジョマに選んで貰えて勉強とかテストとか持ち込んでもらえたかもね!!」


「てっめ、このガキ…」

私は何も言わずに剣を全周囲に囲む。


「何?やる?いいよ。アンタも中途半端な半神半人に負ける?」


「オゥ、俺はそんな野蛮な事はしないぜ?でもな?このまま黙って引き下がるわけもない。俺は人脈神。俺の人脈は凄いんだぜ?頼むぜフレンド!カモン来てくれ!!」

人脈の神がそう呼ぶと目の前にナース服のお姉さんが立っていた。


「来てくれたんだねフレンズ!済まない、この野蛮な半神半人の子供に戦神がやられてしまってね。君の治癒神の力で治してくれないかい?」

「えー、見ていたけど私を呼ぶの?うーん、まあ怪我をしている人が居れば治すけど…。終わったら巻き込まれたくないからすぐに帰るよ?」


「OKOK、それでいいからよろしく頼むよ~」

軽薄の神でもいい感じの人脈神は治癒神に頼んで戦神を治してもらう。

あっという間に怪我の治った戦神が立ち上がると憎々しそうに私を睨む。


「おのれ小娘…」

「まだやるの?いいけどさ、何回死んどく?」

私はそう言って剣を出す。


「くっ、卑怯な娘だ!私は半分とは言え神である小娘とは戦わん。お互いに自分の世界からツワモノを呼んで戦わせよう。代理戦という奴だ!」

うわ、勝ち目が無いからって別の戦いにシフトしてきた。


でもこれは私の想定内だ。



「私は神の自覚もないから世界なんて持ってないよ」

「じゃあ私の不戦勝だな。残念だったな小娘」


「はぁ?じゃあ人間のツワモノに来てもらえばいいんでしょ?」

「何?」


「まあ準備があるから、先にアンタのツワモノに来てもらいなよ」

「バカが、来てもらうだと?人間がここに来られる訳が無かろう。

召喚するのだ!我、戦神が呼ぶ!来たれ勇者パラディスよ!!」


戦神がそう唱えると目の前が光ってそこに20歳くらいの男の人が立っていた。

男の人の顔は傷だらけでいかにも百戦錬磨のツワモノと言った感じだ。


「戦神様?ここは?どうされました?」

「うむ、ここは神々の国。目の前に居るあの不遜な小娘と代理戦を行うことになったのだ、そこで我が世界最強の勇者であるパラディスに来てもらった」


「ありがたき幸せ!必ずや勝利を手に入れて見せます!!」

「それでこそパラディス君だ。期待しているぞ!」


「ヘイ!俺人脈神!君強そうだね!俺のフレンズになってよ!」

人脈神は軽薄な態度でパラディスくんとお友達になっている。


「さあ、小娘よ!貴様のツワモノを呼ぶが良い!それとも半神では召喚もままならんか?残念だったな!はーっはっはっは!!」

戦神は嬉しそうに私を見て高笑いをしている。

甘い。


「え?確かに私は召喚できないかもしれないけど、私のツワモノはそんなの必要ないもん。前もって話もしてあるから準備できているよ」



「千歳様?」

「千歳…まさか?」


「まあ見ててよ。神如き力!

…ガーデンを見つけた!東さんの時間停止を1人だけ解除!


おはよう。うん今は神様の世界で完全解決中。

やっぱり想像通りでさぁ、人間同士で戦えとか言われて。

私?もう圧倒したんだけど半分神の力があるんだからって物言いがついたんだよ。

今から来て。

私の次元球見える?あ、ちょっと遠い?

じゃあこのまま探していて。もう1つ足すから」


「千歳…本気かい?」

「うん」


そう言って笑った私は神如き力で声を出す。

「トキタマくーん、ちょっと来てー」

「はーい、さっきの不思議な子ですね。どうしました?」


「うん、ちょっと君のお父さんに来てもらいたいから私の肩に止まってくれないかな?」

「え?お父さんが来れるんですか!嬉しいですー」


「どう?トキタマくんが私の肩に居るんだけど見える?ちょっとまだ遠い?方角がわかれば来れる?うん。おっけー。やってみて」


「トキタマくん、お父さんを呼んでみて。お父さんも君を呼んでいるよ」

「はい!

…あ、お父さんですか?お久しぶりです!はい僕が見えますか?」


「見えた?じゃあ来て!」


そう言った時には目の前に王様が居た。


「お父さん!!」

「やあトキタマ!助かったよ!」


「王様、1人だけ起こしちゃってごめんね」

「いや、言われた通りここに来る覚悟は出来ていたからね」


「千歳…キヨロス…」

東さんが頭を抱えてこっちを見ている。

「別にいいでしょ?」

「そうだよ、完全解決の妨げなんてイライラする」


ふっふっふ、思い知りなさいよバカ神様どもめ!!!

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