観覧車から見る夜景
向かい側にケンが座っていた。
どうしよう! まともに顔が見れない……。
ケンがこっちを見てニコと笑った。
「ふぁ!」
「アリスどうした急に?」
「いや何でもないよ。ただ空が凄いなって思っちゃったから」
「そうか。確かに」
アリスの頬が真っ赤になってく。
変な声がでちゃった……。原因は昼に聞いた話だと思う。
お化け屋敷から出てお昼ご飯を買いに行って時前に並んでいた女性組の二人組が喋っていた。
「ねえ。観覧車乗りに行かない?」
「私達で?」
「そう。観覧車に乗った男女がカップルになりやすいんだって」
男女!? じゃあケンと一緒に乗ればカップルになれる!
「それで告白したら絶対成功だってだから下見のために行こうよ! 私の白馬の王子様のために!」
「はいはい……」
その二人はごはんを取って去って行った。
観覧車で一緒に……ケンに告白したら恋人に……えへへ……。
自分のパスタとケンのハンバーガーを持って喋り次の場所を提案したら観覧車と言った瞬間。気持ちが舞い上がった。
他の遊園地にも乗って花火も見る約束もしてから嬉しいけど今この時間だけは何を喋たら良いのか分からなかった……。
ゆっくりと動くゴンドラにもう少しいさせて欲しいと願う。
告白……。告白……。頂上に着いたら告白……。
自分に暗示をかけ胸をトントンと叩き落ち着かせる。
「ふぅ……」
目を閉じ深呼吸をして冷静になる。
するとケンが呼び掛けた。
「アリス外見てみ。綺麗だぞ」
ケンが指さす方をを見てみると。
「うわぁぁぁぁ!!」
町の光が小さく綺麗で空を眺めると満点の星空だった。
美しく宝石がキラキラと輝いているみたい。
「凄いねケンにぃ……」
「だな。こんなにも綺麗な場所だと言葉が出ないな」
「うん……」
ゴンドラから降りてベンチに座ってケンは飲み物に買いに行っていた。
やっちゃったぁぁぁぁーー!
告白をしようと考えてたけどこんな景色を見てしまったら言葉を忘れたったなんて。
するとケンが戻ってきた。
「アリスほらいくぞ」
ケンは手を握ってくれて歩いてくれた。
今日は手を握ってくれたことが私にとっての幸せだ。だから告白はもう少しでも……。
帰りは新幹線に乗ってケンは爆睡していた。こっちに寄りかかって寝ている。
朝は早くから起きてからずっと手を引いてくれて楽しませたお兄ちゃんにお礼を言いたかった。
アリスはケンの耳元で小さな声で。
「大好きだよお兄ちゃん。今日のことはずっと忘れないよ」
ケンは寝ていただけど微笑んで頷いてくれた。
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