狂い出す歯車



「今、何と言った?」



 呼吸することすら憚れる、重い空気。

 天井に装飾された数多の魔法器具マジックツールによって、王の間に相応しい広く華美な空間は隈なく光に照らされているにも関わらず、彼女――アミラシルの国王補佐官であるサマンサ・ベリーマンの全身は、暗くて圧迫するような何かに押し潰されそうだ。



「聞こえなかったか? それならば何度でも言おう。此度の件に、我は謝罪しない」



 そして王は繰り返す。

 一触即発という言葉ですら物足りない、この危うい気配満ちる王の間で、もう一人の最高権力者に対して、玉座に坐したまま心の底から退屈そうな表情で、この状況をつくり出した元凶ともいえる言葉を声高らかに繰り返した。


「……主の国で、余の娘が消え、その手掛かり一つすら掴めないこの状況下にあっても、主は頭を垂れぬと言うのか?」


 王の言葉に溢れんばかりの怒りが込められた再問がなされる。

 憤怒は魔力によって可視化され、自らの立つ地面が怯え揺れ動くかのような錯覚すら覚えた。



「余をあまり怒らせない方が賢明だと思うがな……そうであろう? よ」



 サマンサたちの王を若き者と呼ぶ男――法国クレスマの現皇帝、かの五帝の一人、“神帝”アイザック・アルブレヒト・アルトドルファーが静かな、しかし乱暴な言葉と共に一歩王座へ近寄る。

 王は魔法の才に関しては神帝の足下にも及ばない。

 いや王だけでない、サマンサも含めこの世界の九割九分の者がかの皇帝に個人的武勇で敵わない。

 実際はあり得ないことだとしても、もし神帝がその気になれば、王の首を息をするよりも容易く刎ね飛ばすことが可能だろう。

 そしてそんな規格外の相手から発せられる怒気を一身に身に受ける王は――、



「それは此方の台詞だよ。



 ――憂鬱そうに、溜め息を吐いていた。


「……パレスロッティ様!」


 そのあまりに豪胆、いや、それすら通り越し傲慢な態度に、王の補佐役であるサマンサは悲鳴染みた何かを思わず漏らしてしまった。

 それに気づいたのかほんの一瞬、アミラシルの王、パレスロッティ・ヘットフィールドがサマンサの方へ視線を動かす。

 これは失態だ。後で謝らなければ。それもその後、があればの話だが。


「……何でも聞けば、其方のお嬢様は自らの意志で行方をくらましたそうじゃないか。しかも、護衛の部下と我の近衛兵を何人かの静止を跳ねのけて」

「…………」


 サマンサの額から汗が滝のように流れているのを知ってか知らずか、パレスロッティは不敬とも無礼とも受け取られておかしくない言葉を話し続けていく。


「要するに、其方の教育不足を我に押し付けられても困ると言っているんだ。むしろ我の城の客室を燃やした他国の家出少女に対して、アミラシル国家騎士のいくらかを割いていることを感謝されたいくらいだよ」


 これで話は終わりだとばかりに、パレスロッティは薄く笑う。

 それは神帝を明らかに目上として敬っていない態度。

 たしかに国家の最高権力者として立場は同じだが、パレスロッティからすれば神帝は倍以上年齢が離れた相手で、さらに毛先に触れることすらできないほどの実力差がある相手だ。

 そんな相手の前でなぜ、このような態度がとれる?

 これが王としての器なのか。

 これが、十六という若さで王の座についた、次代の王に最も近いと言われていた実の父を暗殺したとまで噂される、鬼才の在り様なのか。

 サマンサは神帝より、むしろパレスロッティの方に畏怖を覚えていた。



「……そうか。ならば話はこれで終わりだ。パレスロッティ・ヘットフィールド。余は明日にはクレスマに帰る。それまでは助力を願おう」

「ああ、もちろんだよ。アイザック・アルブレヒト・アルトドルファー。……サマンサ。捜索の人員を増やせ。アポロンの隅から隅まで探し尽くすんだ。まだこの街のどこかにいるはずだ」



 神帝が外套を翻すと、間髪入れずにサマンサの名が呼ばれ指示が飛ばされる。

 どうやら最悪の事態は免れたようだ。

 神帝の圧殺するような魔力の波動はいまだ完全に収まってはいなかったが。


「りょ、了解しました」


 乾き切っていた口の中を唾液で誤魔化しながら、神帝とは別の扉へサマンサは逃げるように駆けていく。

 一刻も早くこの王の間から離れたかった。



「……一つだけ、覚えておけ。アミラシルの王。アミラシルと余のクレスマが友好的だったのは、あくまで主の先代の王までの話だ。心しておけ」

「……忠告痛み入るよ。クレスマの皇帝」



 バタン、と大扉が閉められる音が虚空に響き渡る。


 神帝の姿はもう消えていて、残るのはパレスロッティその人と、護衛の騎士、数人いるお付きの女中だけだ。

 それでも、不穏で、澱んだ空気は、王の間にこびりついたまま。


 

「……何を呆けている? さっさと行け。サマンサ」

「はっ、はい! 申し訳ありません!」



 足が知らぬ間に泊まっていることに気づき、サマンサは慌てて駆け出す。

 サマンサの唯一仕えるべき王が最後にどんな表情をしていたのか、彼女は覚えていない。




――――――




「マズいわね」

「これは手厳しい」


 情報屋のサイモンはポムの魚を使った創作料理を口に運びながら、何度食べても一向に改善される気配のしないその味に虚しさを覚える。

 もっとも、ここ“ポムの食事処”は料理店を装った情報屋仲介所だ。ポムの料理の下手さが向上されても困ってしまう。

 だが残念ながら安心だった。偶然ここに来てしまった一般人が二度と来ないようにさせる役目を、これなら十分に果たせそうだった。


「そうか!? めちゃ美味いぞ!! これ!!! この甘いんだかしょっぱいんだかわけわかんねぇタレが最高だぜ!!!」

「はぁ……。本当に貴方は人生幸せそうで羨ましいわ」

「あんっ!? サイモンが俺を褒めるなんて珍しいなっ! あんがとよっ!!」

「べつに褒めてないわよ」


 まずいくせにやたら味付けの濃いソースを生臭い魚に合わせた料理を、サイモンの隣りで勢いよく食べる男――ゲカスに投げかけた皮肉は、いつも通り伝わらない。

 半分が髭で覆い隠された顔をくしゃくしゃに笑わせて、ゲカスがポムのどうしようもない料理を下品に食べ進めていく。

 そのどこまでもいつも通りの光景に、サイモンは妙な安心を感じていた。


「そういえばよサイモン! まだ俺は今日の分の用心棒代金貰ってねぇぞ!? ポムからはもう貰ったがな! 今日は稼ぎがよかったんだろう!? 早くよこせ!」

「日に関して言えば、私は払わなくていいんじゃないかしら?」

「あっ!? なんでだよっ!?」

「だって今日、貴方が私の身の安全を保証してくれていたとは思えないわ。私が殺されかけたとき、貴方何かしてくれていたのかしら? あの黒髪の男に、一秒でも貴方もったの?」

「げっ!? そ、それはっ……無理だろあんなの!」

「じゃあいいじゃない」

「マジかよぉっ!?!?」


 ポムの食事処では、店の用心棒であるゲカスにポムが七、その日利用した情報屋が三の割合で用心棒代金を支払うことになっている。

 しかし、サイモンとポムとゲカスはそれなりに付き合いが長い。だからこんな風に多少の融通はきく。

 下手をすればここにいる全員が殺されていた可能性だってあった。

 むしろサイモンは報酬を追加で貰いたいくらいだった。

 ただ彼を呼び寄せたのもおそらく自分だろうという認識から、そんなことを実際に口にするつもりはなかったが。


「それにしても、結局彼は何者だったのでしょうか? サイモン、貴女が知らないなんて本当ですか? ……もし、何か知っているなら、私もいくらか払いますよ?」

「そうだぜサイモン! アイツはマジでやべぇぞ!! なんだったんだよあの殺気は!? 完全にあの瞬間アイツは本気でお前を殺すつもりだった! しかもこの俺がまるで反応できないあの動きっ! あんな化け物お前が知らないわけねぇだろ!?」

「だから数時間前にも言ったじゃない。本当に何も知らないわよ。……でもまあ、ある程度の推測はつくわ。貴方たち、彼の持っていた抜き身の刀、覚えてる? あ、この先の話は特別にタダでいいわ。まあ、私の勝手な推測だから、適当に聞いて」


 もう時刻は六時を回っている。

 この季節なら、夜と言っていい時間帯。

 ポムとゲカスは昼頃の衝撃的な客についての話を蒸し返したいらしい。

 その気持ちはわからなくもなかった。

 あんな危険人物がすぐ近くをうろうろしているとわかれば、この街を拠点とする二人が不安がるのも当然に思える。

 

「抜き身の刀? あの刀身が黒一色に染まっていた業物のことですか?」

「ああアレかっ! 覚えてるぜぇ! ありゃ中々の代物だったなっ!」

「ええ、その刀のことよ。実は私、あの刀のことを知っているの」

「知っている? つまり、あの刀は何か特別な?」

「やっぱりかっ! あれすげぇ有名なやつなんだなっ!?」


 サイモンは二人の言葉に頷く。

 柄から刃まで、闇より深い黒で染め上げられた刀。それはある伝説の中に記されている剣の特徴と合致している。

 そしてその剣の現在の持ち主だと言われている人物の名も、サイモンは知っていた。


「……“至上の七振り”、そう呼ばれている伝説の武器。その内の一つに“不壊のファゴット”という一振りがあるわ。その一振りは世界が滅びるほどの災害が起きたとしても傷一つ付かないそうよ。その不壊の外見に、彼の持っていた刀がそっくりだったの」

「至上の七振り……! それなら私も聞いたことがあります。まさか、現代に実存していたなんて」

「そしてこれはたしかな情報じゃないけれど、今その不壊の持ち主は、“強欲な拐奪者スナッチ・スナッチ”の幹部という噂を聞いたわ」

「ああぁっっ!? 強欲な拐奪者スナッチ・スナッチだとぉっ!? しかも幹部ぅっっ!?」

「まさか」


 ゲカスが大声を上げて目を丸くし、ポムはただでさえ細い目を線のようにして言葉を失っている。

 でもこの反応は当然。

 世界正義を謳う国際魔術連盟によってあらゆる犯罪組織が根絶された現代で、唯一残る、“最後にして最大の悪”、それが強欲な拐奪者スナッチ・スナッチという犯罪組織なのだから。


「それマジなのか? たしかあそこの幹部は五帝や九賢人とタメ張れるくらい強くてヤベェんだろ? アイツがその幹部?」

「それなら納得する部分がありますね」

「ちょっと、二人で勝手に納得しないでくれる? 言ったじゃない。適当に聞いてって。あくまで色々ある可能性の内の一つよ」


 サイモンの記憶では、その不壊を所持している人物は生粋のゼクター人だったはずだ。

 それなのにムト・ジャンヌダルクと名乗った男の瞳は茶色だった。あくまで推測。確証はない。

 

(瞳の色は茶色? いや、私に刃を向けた時は、違う、もっと濃い色だったような気が……)


 一瞬、自らの記憶のどこかに引っかかりを覚えるが、とにかくゼクター人の特徴である紅い瞳ではなかったことはたしかで、僅かな違和感は気にしないことにする。


「とりあえずまあ! とにかくアイツには関わらない方がいいってことだな!?」

「私もそう思います」

「……まあ、そうね」


 サイモンの不確かな憶測にある程度の満足を得たのか、ポムとゲカスは一旦この話に幕を下ろすようだ。

 しかし、彼女は自らの予想が正しい気はまるでしていなかった。


(まず、国際魔術連盟でも見つけられないような犯罪組織が、私のような個人の情報屋に頼るかしら。それにクレスマ第二王女を暗殺しようとする理由が皆目見当つかない。これまで蛇のように狡猾で、慎重な活動をしてきた彼らが、なぜそんなことを? メリットは何?)


「……元々、目的のわからない組織だし、考えるだけ無駄かしらね」

「んあっ!? どうした?」

「べつ貴方に話しかけてないわよ」


 ゲカスは知らない間にサイモンの分の夕食まで食べ始めている。


(まあ、べつにいらないけど)


 若干瞼が重くなっていることに気づいたサイモンは、仮眠でもとろうかと椅子から腰を上げかける。



「こんばんわぁ~。ええ匂いがするから、ついまた来てしもたわぁ~」



 だがこの日、二人目の客人がやってきたことによって、それは遮られてしまった。


「はい! いらっしゃいませ! このポム・ベニントンの料理はどれも一級品ですよ!」

「そんなこと、僕知っとるよ。僕にもその髭面と同じの頼むわ」

「畏まりました」

「誰が髭面だオイ!」


 ふらふらと酔人ような足取りでこちらへ近づきどっかりとサイモンの隣りに座った男は、細長い左小指で鼻をほじくると赤黒い塊をテーブルの上に飛ばした。


(本当に最悪ね。私の両隣りがこんな下品で粗野な輩どもに埋められるなんて)


「こんばんわぁ~、サイモン。久し振りやね? どう? 僕の顔が見れて嬉しい?」

「なにが久し振りなのよ。昨日ここで会ったばかりじゃない」

「ぶふふっ!! それもそやねぇ! ぶっ、ぶふふっ!!!」


 サイモンの隣りを新たに埋めた男は、何が面白いのか今度は唾を飛ばして大笑いをしている。

 疲れているときに最も会いたくない人物の黒い瞳に、溜め息を乗せて睨みを向けるが、やっぱりそれはまるで意に介してはもらえなかった。


「……ソルダルド。一体何の用でここに来たの? 特に私に用がないなら、裏に戻っていいかしら?」

「えぇ~? なにそれ。つれへんなぁ、サイモンは。昨日、姫様いなくなったーいうて、とっておきの情報売ったんどこの誰れぇ~? もう忘れたん?」


 ニタニタといやらしい笑みを浮かべて男――ソルダルドはサイモンをその鋭い視線で射抜く。


(いつ会っても嫌な奴ね)


 サイモンが彼に強く当たることはあまりできない。

 それは彼と彼女が情報をよく売り買いする古くからのビジネスパートナーであるということだけでなく、彼自身が法国クレスマの筆頭騎士という役職に就く、世界に数少ない強者の内の一人だからだ。


(そういえばこいつはクレスマの騎士でありながら、生まれはファイレダルだったかしらね。ホグワイツ語に非常によく似たファイレダル語をペラペラと、ここアミラシルで喋る。ちぐはぐなクレスマの騎士。それがこいつ)



「んまあ、べつに大した用事があるわけやない――ってあれ? サイモン? この首の傷、なに?」

「!」



 突然、まるで流れるような動作でソルダルドがサイモンの首に残る一筋の傷に触れる。

 その一連の動きはムトに比べれば目で追えるほどの速度しかなかったけど、あまりに自然で洗練された動きだったため、一切の反応をすることができなかった。


(だからこいつは嫌いなのよ)


 茶色の髪はしわくちゃで服装は民間人を装っているのか地味で低品質の物なのに、その本性が常人離れしていることは明らかだった。

 

「サイモンは弱くない。それに慎重や。なのに首の傷。なんで?」

「……」

「えぇ!? 嘘っ!? これ金とるん? 情報扱いとかっ!」


 サイモンが無言を保つと、ソルダルドは伸ばした手を引っ込め、大袈裟に手の平を空でひらひらとさせる。

 彼はふざけた言動とは裏腹に賢い。

 彼女の真意を一瞬で理解したらしい。


「マジか。でも気になるしな。……よし、しゃあない。これでどう? あ、ポム、仲介料は別にええよね?」

「はい。ソルダルド様とサイモンの取引に関して、私は仲介を行っていませんから」


 丁度料理を運んできたポムに、顔だけ向けてソルダルドは確認をとる。このやり取りもいつものことだ。

 それなりの代金をテーブルの上に置いて、サイモンの視線を再度窺う。

 ただ、その先はいつもとは違った。


「はぁ? え? なに? これで足りない? 本気なん?」

「……」


 普段ならサイモンが頷くタイミングでの、無言の継続。

 それはこれまで飄々としていたソルダルドの表情に困惑、そして微かな苛立ちを生まれさせた。


(どこまで話していいのかしらね)


 サイモンは正当な報酬を計算しながら、口を開くことにする。


「……古くから付き合いとしてサービス。前金はとりあえずこれだけで教えて上げる。この傷は今日の昼頃にやってきた客につけられたものよ。その客にはレミジルー・アルブレヒト・アルトドルファーの隠れている場所と、暗殺するのにうってつけな場所を訊かれたわ」

「はぁっ? それどっちも教えたん!?」

「ええ、教えたわ。正当な代金はちゃんと貰ったから」

「なにそれ……まあ、ええ。それで、そいつ、強いん?」


 数秒頭を抱えたソルダルドだったが、すぐに持ち直し、真剣な声色で情報の続きを求めた。


「強いわ。おそらく貴方よりも。下手をしたら五帝、九賢人クラスの人物よ」

「……これは情報の取引。冗談、なわけないか」


 サイモンに注がれるその黒い視線が鋭さを増したが、決して逸らそうとしない様子に諦めを覚えたのか、椅子の背もたれにぐったりともたれかかり茶髪の頭をガシガシと掻き毟り始めた。


(まあ、信じられない気持ちはわかるけれどね)


「はぁぁぁ! マジで! なにそれ面倒臭いっ! なんで知らない間にそんなわけわからんことなってんの? 誰やねんそいつっ! 姫様殺されんの嫌や」

「気をつけた方がいいぜクレスマの騎士さんよぉ! アイツはマジだぜっ!」

「はい。私もその方を見ましたが、はっきり言って、異常な方ですよ」

「ポムも髭面もめっちゃ真面目な顔してるし。マジか~。嫌やなぁ~」


 テーブルに顔を突っ伏したソルダルドは数十秒そうやって動かないでいたが、やがて勢いよく椅子を立つと、結局ポムの出した料理を一切食べずに出口の方に向かって行った。


「あ、そいつに関して他の情報ある?」

「ないわ」

「……ま、そりゃそう言うわ。わかった。ほなバイナラ。こりゃ情報工作してる場合やないな」

「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」


 扉の閉められる音が遅れて聞こえ、ソルダルドは影も形もなくなった。

 途端に静かになった店内で、サイモンはおもむろにテーブルの上に視線を落とす。

 そこには大額のお金が残されていて、彼女はそそくさとそれを集めて懐に収めた。



「よかったんですか? 彼にあの青年のことを教えて?」

「なにを言っているのよ。私は情報屋。訊かれたことに答えるだけ」



 ポムが少しだけ寂しそうな顔をする。だけどこれは仕方がないことだった。

 二つの狂気がぶつかったらどうなるか、予想は大体ついていた。



「私はもう寝るわ」

「……わかりました」

「おう、お休み!」


 

(情報屋稼業も楽じゃないわ。クレスマに詳しい情報提供者を、新しく探さないといけないかもしれないわね)




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