第137話 そして彼らは巡り合う
「いやぁ、びっくりしちゃったよー!鏑木君って大胆なんだね」
「おい、人聞きが悪いだろ」
相変わらずな様子の道月に鏑木はため息を吐いて、漸く本来の目的を思い出した。
「お前、本当に一位か?」
「うん。さっき確認したよー」
「……」
「ほら、私の番号。流石にこれには点字は打ってもらってないけどね」
なんとも軽い雰囲気で渡された用紙には、確かに先ほど穴が開くほど見つめた一位の受験番号だ。それをじっと見つめた鏑木は、目の前にいる盲目の女に視線を向けて、もう一度番号を見つめた。
「……自己採点は何点だった?」
「自己採点……?そんなことはしてないなぁ。合格できれば良かったし」
「……僕の自己採点だと全教科満点なんだが……恐らく何処かでケアレスミスをしたのか」
流石に受験ともなればケアレスミスの一つが出てもおかしくはない。とはいえ、落としても一点や二点が良いところだ。つまりこいつは……全教科満点ということなのだろう。
明らかにおかしい。それほどの実力を持っているならば、全国模試で上位に食い込んでもおかしくは無いはずだ。それについて鏑木が道月に問い詰めると、彼女は注文したパンケーキにはちみつを掛けながら気まずい顔をした。
「私、受けてないんだ。目が見えないから問題とか分からないし……障害者用の模試もあったらしいんだけどね、そこまでして順位にこだわりたくなかったし」
「……確かに、順位が出てどうこうする訳でもないしな」
鏑木自身も暇潰しで受けている部分があったし、態々意味の無い順位を出すために必死で模試を受ける意味も無いだろう。鏑木に障害者用の模試についての知識は全くなかったが、取り敢えず普通よりは面倒に違いないと思った。
とはいえ、自分を打ち負かして一位を飾った相手が、まさか問題文の読めない奴だとは思わなかった。完全に伏兵である。
幼少から必ず一位という座に君臨し続けた鏑木にとって、初めてのライバルといっても良い存在だ。実際、盲目というハンデを背負って尚、彼女は確かに天才中の天才である鏑木に打ち勝っているのだ。ともすれば道月こそが真の天才と見ても良いだろう。
「ふー、ふー……甘ぃっ!美味しい!何これ、ふわふわし過ぎだよー。最高!」
「……」
注文したコーヒーに砂糖を溶かしながら、鏑木は道月を見つめた。何処をどう見てもこの女が自分よりも頭が良いというビジョンが浮かばない。それどころか確実にバカ……いや、流石に失礼だな。平均点辺りを飛行していそうだ。
むふー、と満足げにパンケーキを頬張る道月に、店の主人はほほう、と声を上げていた。うるさいと注意するつもりはなく、自分の焼いたパンケーキを心底美味しそうに食べる道月にいい気分になったのだろう。
食事の合間に、今度は道月から鏑木に声をかけてきた。
「鏑木くんー」
「なんだ」
「鏑木くんは、どうしてここを受けたのー?」
「……面白そうだったから」
包み隠さずぶちまけると、道月はうへぇ、とすっとんきょうな声をあげた。何だかバカにされているみたいで釈然としない。
「なんだ?悪いか?」
「全然。逆だよ。人生楽しんでるなーってさ」
「……それは高度な皮肉か?」
「ん?どゆこと?」
そのまま剥き出しに『君は人生を楽しんでいるね』と盲目の相手に言われてみれば、誰しも自分を棚にあげた皮肉だと思うだろう。しかし道月にそんなつもりは一切無かったようで、虚空を見つめながら首をかしげている。いや、何でもない、と鏑木は言葉を取り下げた。
「……逆に、お前はどうしてここを受けたんだ?」
聞かれたら聞き返すのが礼儀だろうと鏑木が社交辞令的に言うと、道月はぱちくりと何度か瞬きをしたあと、ふっふっふ、と気持ちの悪い笑いを上げた。
「よくぞ聞いてくれたね、鏑木くん!」
「うるさい」
「ごめん」
この店に鏑木以外の客は居なかったが、流石にうるさい。有り体にそう言うと、道月はしゅんとなってうつむいてしまった。鏑木は全くもって悪いことをしたわけではないのに、何だか悪い事をした気分になる。店の主人も、おいおい、という視線を鏑木に送っていた。
僕が悪いのか……とちょっぴり不貞腐れながら、鏑木はそれで?と道月に相槌を打った。それを聞いた道月がぱぁっ、と花が咲くような笑みを見せて口を開く。
「私ね、仮想世界で自分の目が治せるんじゃないかって思ってここに来たの」
「所謂医療用VR機器か。手足を欠損した人でも仮想世界で動けるように……っていう奴だろ?残念ながら未だに完成してないって話だが……」
この大学に入る以上、VRという分野の事前知識を入れるのは当たり前どころか最早必須。恐らくテレビニュースなどの媒体で同じことを知っていたらしい道月は、暗い瞳を柔らかく曲げて志を高らかに伝える。
「私は、それを完成させたい。私ね、生まれてから何も見たことが無いんだ。色も、光も、お母さんの顔も、自分の顔も……空がどんな色かも分からないの。だから、せめて仮想であっても空が見たいんだ。世界が見たいの」
「……それは、大層な目標だな」
「『それは高度な皮肉か?』」
「いや、そんなんじゃ……おい」
先ほど吐いた言葉がブーメランのように自分に襲いかかってきた。道月はあはは、と朗らかに笑っている。……暗い話題をサクッと飛ばしたかったのか。
道月の話は、余り長く話していて気分のよい物ではない。鏑木には彼女の苦しみを理解できないし、彼女自身も理解できない癖に理解したような事を言われたくなかったのだ。
道月の意図を汲んで、鏑木は新しく話題を振ってみる。それと無い話題で、暗くならないものを……。
「……好きな食べ物は?」
「あはは、お見合い?」
「おい」
せっかく話題を振ってやったのに、こいつ……。ジト目を向ける鏑木の前で、道月はからからと笑っていた。その声に混じって何かを啜る音が聞こえる。何かと思って鏑木が店内に視線を巡らせると、店主が眼鏡を外して目元を覆っていた。空を仰ぎながら鼻を啜るその姿は間違いなく道月由来の物だろう。鏑木はなんとも言えない顔になった。
鏑木が黙ったことで店主に気がついたらしい道月も、困った顔で笑っている。取り敢えずここで話す話題は特に無くなったと判断した鏑木は、涙ぐむ店主に声を掛けて会計を済ませた。
途中、店主が道月にいつでも遊びに来なさい、と涙ながらに言っていたのが鏑木の目に強く焼き付いている。
店を出て慎重に路地に出ると、特に誰も居なかった。鏑木のあとをついてきた道月が、首をかしげている。彼女にとって取り巻きなど気にもならないというか、そもそも居なかったのだろう。
時刻は午後一時過ぎといった所だ。取り敢えず用事もないし、家に帰るとしよう。鏑木はそう決めて……ああ、そうだと思い出した。
「おい。送ってやる」
「うひゃ、やっぱり大胆……」
「違う。流石に放ってはおけないだけだ」
「ふふーん。鏑木くんは優しいね」
「……うるさい」
ぶっきらぼうにそう言うと、道月は照れてるー、と鏑木に追撃を行った。若干顔を赤くしながら鏑木はそれを無視して道月の家までの道のりを尋ねる。道月から教えられた住所は、ここからそこまで離れては居なかった。
道月に背中を向けて、鏑木は進路を彼女の家に向ける。あー、待ってよー、と道月が言って鏑木の後を追いかけた。
暫く歩いていると、十字路で信号に捕まった。立ち止まった鏑木に、道月も立ち止まる。その様子に、鏑木は疑問を抱いていた。普通、盲目の人間は杖のような物で地面を探って前に進むものではないのか?振り返った先に居る道月は何処を見ても手ぶらだ。ニコニコと可愛らしい笑みを浮かべて虚空を見つめている。
自分一人だけ考えるのもバカらしいと思い、鏑木は率直に聞いた。
「おい。……その、あれだ。お前、杖とかは使わないのか?」
「え?……あぁ、私は大丈夫だよ。私の特技でね、周りの音が物に反射して戻ってくるのを耳で聞いて、物との距離を図ってるの」
「……なんだそれ」
「コウモリの
コウモリは超音波を発して、その音が帰ってくるまでの時間で物との相対的な距離を感じ取っている。それと同じことを……この女は常にしているのか?ニコニコと何でもないように笑いながら道月は続ける。
「流石にここみたいに外で、開けた場所だとどうしようも無いけど、鏑木くんが居るから大丈夫!鏑木が止まったら私が止まれば良いからね。一人の時は……ほら、一応折り畳み式の杖があるよー」
そう言って、道月は自分の手提げかばんから杖を取り出した。えっへん、と豊かな胸を張って自慢する道月だが、素直にそれを褒めることは難しい。
とはいえ、人間という枠を飛び出したまさに人外とも言える能力であることは間違いないのだ。周囲の音の反射で即座に光の無い世界に地図を浮かび上がらせる……そんな尋常ではない能力を身につけるために彼女がどれ程の苦労をしたのか、鏑木には想像もつかなかった。
信号が青になる。慌てて前に進む鏑木の足音に続いて、道月が前に進んだ。さっきまで完全に格下だと思っていた道月の思わぬ技能に、鏑木は大きく怯んでいた。果たして自分に同じことが出来るだろうか。それどころか、目の見えないという現実に向き合い続け、あれほど朗らかに笑うことなど出来るのだろうか。
その事実に触れて、鏑木は初めて他人に対する畏怖と――尊敬の念を持った。世界には、自分よりも上の存在が居る。その事を、彼は漸く知ったのだ。その張本人である道月は、さっきの喫茶店の蜂蜜の味を思い出して顔を緩めていた。良くも悪くも、顔色を伺えないので温度差ができるのだ。
神妙な顔をした鏑木と、ふにゃりと崩れた顔の道月の二人は、周囲に二度見されながらも、無事に目的地にたどり着いた。ありがとうねー、と告げられた道月の礼をぶっきらぼうに受け取った鏑木は、一人きりの帰り道で意味もなく目を瞑ってみた。
「……」
さっきまで見えていた信号、赤い車、騒ぐ子供に学生。空を飛んでいたカラスと風に揺れる街路樹。それらが瞼を下ろした瞬間に、何も見えなくなってしまった。真っ暗だ。ざわめくような音の重なりだけが聞こえてくる。エンジン音、人の声、木葉の擦れる音、鳥の鳴き声。
とてもではないがその全部を網羅することなど不可能で、位置関係を想像することすら難しい。ただ太陽光の透けたまぶたの裏側が見えるだけ。それすらも見えないのが、道月の見ている世界だった。そんな世界で、鏑木は一歩前に進んでみた。足先が震えて、一歩が覚束無い。
「……無理だ」
こんな状態で、迷いなく進むことなど出来ない。鏑木はそっと目を開けた。変わらぬ景色が写っている。本当に変わらない景色のはずなのに、どうにもそれらが偉大に見えた。
そしてそんな景色を、彼女に見せてやりたいな、と一瞬思って……それをすぐに掻き消した。
「何を考えてるんだ、僕は」
はぁ、とため息を吐いて、鏑木は帰路を進む。少しは気合いを入れて勉強してみるか、と珍しい気概を背負い込んで。
―――――――――――
合格発表から幾日かが過ぎて、無事に入学手続きが済んだ鏑木は、いつものように大学へと赴いていた。面倒な入学後のあれこれを過ぎた先に待っていたのは、いかにも専門的な講義だった。一般人ならば、気を抜いたその瞬間に理解不能の沼に嵌まるような高度な説明を、講師はさらりと言ってのける。しかし、最もこの分野で難しいのは、仮想世界を構築する理論が講師によって異なるという点だ。プログラムから理論、構想と着手。手順や考え方まで講師によって異なる。
それはまだこの分野が開拓途中の未知の世界であるからに他ならない。それぞれにそれぞれの体系があって、そのどれもが方法として確立している。鏑木にしてみれば、よくこんな適当なもので専門の大学をたてようと思えたな、というところだが、開拓途中だからこそ興味を持つ人間が必要なのだろう。
今日も今日とて鏑木は、独自の理論を展開する講師の言葉の根幹だけをぬきとり、自分の理論に継ぎ接ぎしている学生たちを見下ろして、隣でふむふむと目を瞑ったまま興味深そうに頷く道月を見つめていた。
目を閉じていても、その表情は真剣そのものといった様子で、どれだけ自分の夢に情熱を掛けているのか伝わってくる。
「脳の感覚野に伝わる電気信号を『すべて』模倣し、それを解析、変換して機械語にする。そうしてできた言語を組み立て、脳のシナプスに伝わる『脳言語』へ変換して脳に送還する……のだがこのままでは問題が出来るな?」
「感覚野に伝わる電気信号と脳言語に変化した信号が重なって脳に伝わります」
「正解だ。良く講義を聞いているね。彼女の言う通り、そのままでは信号が二つ重なることで脳に大きすぎる負荷が掛かる。具体的に言うと世界が二重になるわけだ。それを防ぐために、元の電気信号を除去しなければいけないのだが、その為には――」
満足げな顔をする道月に、鏑木は頬杖をつきながら頑張ってるな、と声をかけた。正直こういった基礎の話は予習を重ねた鏑木にとって催眠術師の声に等しいのだが、道月は律儀に講師の声に答えている。道月にとっても、こんなもの基礎の基礎に違いないのだが……全くもって真面目だ。
暇になった鏑木は手元のノートに適当なプログラムを書き上げていく。まずは脳との共有コードを探るプログラムを組み立て、変換と送信、そして今離されている脳信号の絶縁を部分的に引き起こすプログラムを作る。本気で書けば間違いなくノートのページを大量に食い尽くすので、必要不可欠な部分だけを抜き出した。
暇潰しで書かれた鏑木のプログラムを、実際に機械に入力・出力すれば殆ど問題なく機能する。流石に世界作成の序章しか知らない鏑木では真っ暗で広い空間に体と五感を転送する程度しか出来ないが、それが入学して数日の学生に出来てしまうのは異常とも取れる事態だった。
一年から二年丸々講義を受けて、漸くそこまで至れる領域が仮想世界の創造だ。それを片手間に成し遂げた鏑木は、ちらりと隣にいる道月のノートを覗いた。
開いているページには確かに講師の言葉が纏められていたが……その一枚前のページには裏からでもわかるほどびっしりとプログラミング言語が書き込まれていた。流石は道月だな、と嫌味の一切ない讃賞を鏑木は心の中で送った。
数時間後、すべての講義を終えた鏑木は道月をいつものように送ってやろうとしたが、その前に誰かから声を掛けられた。それは男の声で、どこか情けなさを滲ませた物だった。
「す、すみませーん。お二人はもうどこかのサークルに所属してたりしますか?」
声を掛けられた鏑木は、なるほど、またどこかのサークルの勧誘かと合点した。見た目の良い鏑木と道月は、二人共々サークルの勧誘が激しく、それに対して鏑木が毎回道月に注意をもらいつつ一つ一つ丁寧にぶったぎっていたのだが、今回は少しだけ勝手が違った。
鏑木はいつも通り大きなため息と声の主に振り返り、断りの言葉を口にする。
「すみませんが、僕は勉強に集中しているのでそういうのは結構です」
「えーと、すみません……私もちょっと難しいです」
「そこを、どうにか……!」
目の前の男は見るからにパッとしない服装で、頼み込む表情には必死さが滲んでいた。しつこいな、と口にしようとした鏑木よりも前に、目の前の男はずずっと二人に詰め寄って頭を下げる。
「うちのサークル……『VRゲーム開発部門』は今年でサークルに入っているのが俺だけになってしまって……このままだと公認サークルどころか活動がままならなくなってしまうんだ」
「いや、どうでもいいんだが」
「そ、そんな……話だけでも……!」
VRゲーム開発部門?ふざけたサークルだ。どうせ大学に入った奴らがノリで立てたお子様遊びみたいなサークルなのだろう。その証拠が現在の人数一人、という結果だ。
男の様子を見るに、もうあらかた新入生には声を掛けてみたが反応ゼロってところか。
それを冷静に分析した鏑木は、その上で断ろうとした。入ることに価値があるとは思えなかったし、何より時間の無駄だ。男を拒絶する言葉を脳内で構築する最中に、鏑木の脳内に一つの単語が転がり込んできた。
ゲーム。
そういえば、この大学を志望する理由は同級生がゲームの話をしてたからだな。我ながら道月に比べれば情けない理由だと思う。だが、結果としてゲームが鏑木をここまで運んできた。そう考えれば、なんだかゲームというものに運命的なものを感じる。
とはいえ、無駄なものは無駄。さっさと切り捨てようとした鏑木の耳に、男の声が滑り込む。
「ふざけたサークルだって思ってるのかもしれないけど、俺は真剣なんだ!……俺は、最高のゲームを創りたい。最高のプログラムを組んで、『誰でも』遊べるゲームを創りたいんだ!」
情熱に満ちた男の言葉。その一部である『誰でも遊べる』は、勿論ゲームが老若男女に受け入れられる、という意味だが、それを知らなかった鏑木と道月はてっきり本当の意味で『誰でも遊べる』ゲームを作ろうとしているものだと勘違いした。
「『誰でも』か?」
「……?ああ、ゲームは誰でも遊べるべきだろ?」
「……ふん」
「鏑木くん……」
「……分かってる」
道月の夢は、医療用のVR機器を作り出すこと。この男の目標は、バリアフリーなVRゲームを創ること。差異はあれど、目指す方向性は同じだ。道月の夢は一人では実現が難しいかもしれない。だが、同じ志の人間が何人かが集まれば……。
道月は、男の言葉に乗り気だった。鏑木にしてみれば、無駄とも言えるこのサークル。けれど彼女にとっては同じ志の人間が居る研究所のような場所なのだ。
鏑木が道月に付き合う必要はない。結局入学から今までの短い縁なのだ。鏑木自身は道月をただの知り合いだと他人に言うだろうが、その本心を覗き見ると、彼女――道月結は、鏑木にとって初めての馴れ馴れしい友人であり、初めて自分を打ち倒した尊敬できる女性だ。加えて、彼女の夢というやつに……鏑木はほんの少しだけ乗り気だった。
そんな初めて尽くしの道月を、得体の知れない男と二人きりにする……?鏑木は押し黙り、深く考えて……とにかく、男の話を聞くことにした。
「……詳しい話を聞かせてもらおう」
「え!?入ってくれるのかい!?」
「そうは言ってないだろう。話をまず聞かせろと言ってるんだ」
「わ、分かった!」
男はぱっと表情を明るくした。はしゃぐ男に、早速頭痛のようなものを覚え始めた鏑木がため息と共に頭を押さえる。そんな鏑木の隣で、嬉しそうな顔をした道月がニコニコと笑っていた。
たった三文字の勘違い。毅然とした道月の夢。迷いが生んだ鏑木の決断。それが、運命の三人を結びつけた。ゲーム「variant rhetoric」を生み出す
鏑木柊。
道月結。
そして最後の男……
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