第4話 安くて良質な国産元込銃

 さて、小銃である。元込ライフル銃は、国産化され、輸入品より、良質で低価格であるとした資料があるました。ただし、生産数を増やそうとすると、価格が高くなってしまうため(そのような見積が職人から出されたといいます。)、不足分は輸入することとなったということです。生産数を上げると価格が下がるというのは、もっと後であり、この時期は生産施設の拡張分の方が費用が、かかるということらしかったようです。連発銃の生産にはいたりませんでしたが、当時の連発銃の機構は試行錯誤の時代で、実用レベルの連発銃は、かなり後のボルトアクションまで待たなければなりませんでしたから、かえって賢明だったともいえるかもしれません。村田銃の最初のタイプが、単装式だったことで分かります。 

 コピー生産ではあっても、在来技術である程度、追随者していたと言えるのではないっしょうか。ただ、短期間に大量に必要であったため、大量の輸入となったのである。

 ちなみに、多くの歴史小説家が言うところの南北戦争時には、小銃の部品の規格統一、互換性がなされていた、ロンドン万博でその実演がなされたというのは、単なる都市伝説というのが、技術史での定説です。機械生産、部品互換性などは19世紀末頃に本格化しましたが、高級品であり、安く、大量に供給されるようになったのは、フォードシステムからです。そのフォードは、それをエジソンの機械化された鉄採掘~鉄生産を見て思いついたと言います。エジソンは技術的困難を克服して、技術的には成功したものの経営に失敗し破綻ましたが、その設備の多くを転用してコンクリート生産に乗り出し、大成功しています。

 小銃で雷管式元ライフルの製造に成功しているのですから、大砲についても雷管式ライフル砲の製造の水準まで達していると考えるべきではないでしょうか、青銅砲ではあっても。少なくとも、このくらいの前提で検証してほしいのですが、結果として分からなかったとしても。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る