第14話 「凍氷冷も、早く来てね?」

 ……午後6時、校長室……



“やっとこの時が来たわ、外に出る日が。……そうだ、ここを出る為に“渾名”を決めないとね。”

“渾名……?”

“そうか、外で本名を使ったらここにまた連れてこられちゃうからね。う~ん……どういう名前にしようかな……。”

“……レイ。”

“えっ……?”

“凍氷冷の名前。凍氷冷の「冷」から取ったの。これなら絶対に忘れない。”

“私も決めた。蒼渓清の名前は、ナルウミ。海のように自由に生きて。”

“……ね?”

“……うん。”

“蒼渓清、貴方は先に行ってて。私は皆に声掛けるから貴女はこの戦争騒動を利用して、外に逃げて。そして貴女の手で国を創って、私達の存在を隠せ、幸せを手に入れられる。そんな国を。”

“うん、分かった!凍氷冷も、早く来てね?”

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