第12話 再開

教皇はどこかに行ってまった。


これからどうしよう・・・。

うーん、まぁとりあえずステータス振ってなかったし振っとこう!



その後は〜、そうだ!

ここは神殿だし、五大神教って名前の宗教らしいし、5人の神様を祀っているんだよね?

じゃあ、恐らくだけど女神フォルトゥーナ様の事も祀っているはず!

せっかくだし、お祈りでもしようかな。

加護も貰えたんだし、改めてそのお礼もしよう。


でも、祀っている場所は知らないし、ここめちゃくちゃ広いみたいだから1人だと絶対迷うよね・・・


何かあったら誰かに言ってって言われてたけど、どうやって呼んだら良いのかな?部屋の外に行ったらいいのかな?


まぁ考えても仕方ないし、とりあえず部屋の外に出てみようかな。



そう考えて自分の部屋から外に出ようと扉に近づく。

すると突然扉が開き出した。


あれ、自動扉だったかな?


そう思ったが、空いた先に騎士が2名跪いていた。

どうやらこの騎士達が私が扉を開けようとするのを察して開けたらしい。


ずっと待機してるのかな?大変そうだなぁ・・・


「いかがなさいましたか、御使い様。」


「あっ、うん、あの、せっかく神殿に来たんだから神様へお祈りを使用と思ったんだけど、何処でしたらいいかな?」


「それでは私共が礼拝堂の最深部へと案内させて頂きます。」


ん?最深部?普通の所じゃないのかな?


「お願いします。」


そしてトウカは騎士の後へ続いて行く。

その時にすれ違う人は皆、すれ違う前に跪いて待機する。


礼拝堂のような所へと到着する。しかし、騎士達は止まらずに歩き続ける。

そのまま5分ほど歩き続けると、細い通路へと差し掛かり、そこには関係者以外立ち入り禁止と書いてある。

そのまま奥へと進む。傾斜になっているため、地下へと向っている様だ。

そして、途中に何度か分かれ道を通る。


私1人だと、もう帰れないよね。


突き当たりにやってくると大きな鉄扉があった。

大きな鉄扉の中心に丸い部分がある。

ラスボスかなんかが封印でもされているような雰囲気だ。


「御使い様、ここから先は許可された者しか通ることが出来ないため私共はこちらで待機させて頂きます。」


そう言って騎士達は微動だにしなくなる。

あまりに動かないため疑問に思ってしまう。


この人たち生きてるよね?機会じゃないよね?

てかここまで来たけどどうしたらいいんだろ?

この丸い所に触れたらいいのかな?


そう考えて手を伸ばして触れてみる。


すると触れた部分が一瞬光り、波紋が広がっていき、やがて扉全体を満たす。

すると、青く渦巻くワープホールとなった。

私はその中へと入っていく。


中へ着き、辺りを見渡すと壁からは水晶のような結晶がそこら中から生えており、中から薄らと青い光が溢れているように見える。

そして、空中には色とりどりの光の玉が飛んでいる。松明などの人工的な光は無いが、明るく神秘的な光景が広がっている。

足場の左右には水が流れており、その水の流れる音もいい雰囲気を出している。


道は狭いが奥へ進むにつれて広がっていき、最後には大きな空間が広がっている。

そこには何かの像が5つ広場を囲うように建っており、中心部には一際大きな結晶のようなものがが浮遊している。

像は今にも動き出しそうなぐらい精巧に造られている。

結晶は見た感じ高さが2mぐらいありそうだ。


像うちの一つは見覚えがある。

女神フォルトゥーナ様の像だ。


トウカはその像へと近づきお祈りをしようと跪く。

そして手を合わせて目を閉じる。


その瞬間聞き覚えのある声が聞こえてくる。

目を開けて見ると最初にチュートリアルを行った場所と同じ所になっており、女神フォルトゥーナが優雅に椅子に座って何かを飲んでいる。


「あら、お久しぶり・・・と言う程時間が経ってはいないですが、お元気でしたか?」


「はい!女神様もお元気そうですね。」


「えぇ、元気ですよ。御使い?」

そう言って上品に笑い始める。


「ちょっと!私も戸惑ってるんですから、からかわないで下さいよ!」


「あらあら、ごめんなさい」

と笑いながら言う。


「それにしても、ここに来れる方がこんなにも早く現れるとは思っていませんでした。」

「ここにある退魔結晶と呼ばれる大きな結晶がこの国全て街を魔物から守っているので、本来なら英雄的な活躍をしたり、国のトップになった者のうち人格に問題の無い者しか来る事は出来ない場所なんですよ?」


「英雄?トップ?」


「えぇ、そうです。だって貴方は私の加護を与えてあり、この国の実質的なトップじゃないですか。」

「国のトップかつ、神の加護を得ている。条件は余裕でクリアしてます。」


ん?国のトップ?

「えっ、ええぇぇえええ!!!」


「あら、気づいてなかったのですか?ちなみに、貴方の支配している国はこの大陸一の大きさを誇ってますよ?」

そう笑いながら答え、機嫌が良さそうである。


「トウカ様はやはり面白いお方ですね。」

「ちょうどいい機会ですし、貴方への加護をランクを、上げて寵愛へと致します。」

「これで更に運がよくなりましたね。」


「あっ、はい、アリガトウゴザイマス」

トウカは色々といっぱいで片言になってしまった。


「うふふふふ、折角ですし色々とお話ししましょう。私達の世界には話す人が中々いないので、結構寂しいのですよ。」


そうして女神が話を進める。そのうち、トウカも落ち着きを取り戻して2人で談笑を楽しむ。



・・・・・・1時間後・・・・・・



2人は仲良くなっており、互いを名前で呼ぶようになっていた。


「そうそう、最後に貴方の持っているスキルのうち神聖魔法と時空魔法は積極的に鍛えた方がいいわよ。」


「神聖魔法は鍛えると生存能力が格段に変わるし、時空魔法は鍛えると未来を見通すことも出来る。」


「それに、貴方はLUCが高いから熟練度も溜まり易いはずだからスキルレベルもすぐに上がるはずよ。」


「あと、この魔法の書を読みなさい。これを読むと覚える魔法が増えるわ。」


女神フォルトゥーナから神聖魔法と時空魔法の2つの魔法の書が手渡される。


「おぉ!フォルありがとう!」


「それじゃ、今日ここにいられる時間はもう終わりだから。またいらっしゃい。」


「はーい!またね!」


そして辺りが光に包まれる。

気がついたら私はさっきの5つの、像のある場所にいた。


「ふぅ、いろいろあったけど楽しかった〜」

「最初は女神様って緊張してたけど、気さくで良い人だし、友達みたいで接しやすかったなぁ。」

「また遊びに来よう。」

「さて、出口へと行きますか。」


そう独り言を呟いて出口へと向かっていく。

するとここに来る前に通ったのと同じ扉があった。

トウカは再び真ん中の丸い部分に手を当てる。

するとさっきと同じように波紋が広がり、ワープホールが出来る。

中に入ると、目の前に騎士が直立不動の状態で待っていた。


「あっ・・・忘れてた・・・」


忘れてた事にトウカは焦るが、騎士達は何事も無かったかのように一礼をする。


「お待ちしておりました。」

「お部屋へお戻りになりますか?」


「あ、うん。」


そして騎士達は前へ歩き出す。

トウカは1人でも戻ってこれるように道を覚えようとするが、方向音痴のため無理であった。


そしてグルグルと進む事10分ほど・・・



トウカは神殿にある自分の部屋へと戻ってきた。



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