応援コメント

第3話 《審判》は《運命の輪》と知り合う」への応援コメント

  • 第3話もとても楽しく読ませていただきました。

    フェリシアさんがゲームの世界の登場人物になっているという状況が十二分に生かされている気がして、全編に渡って、読んでいてとてもワクワクしました。


    今回のお話では、フェリシアさんの父バロンさんと、『アルカナ・ラヴァーズ』の主人公ルクレーシャさんの性格に、
    『アルカナ・ラヴァーズ』をゲームとしてプレイしているときには気づくことのできない一面があることが明らかにされました。

    バロンさんは、ゲームの画面越しでは妻の死後、娘を放置している男に見えていて、
    ルクレーシャさんは、明るく、やさしく、いかにもゲームの主人公然とした存在だった。

    でも、フェリシアさんから見たバロンさんはちゃんとフェリシアさんを愛しているのだということが描かれていて……
    愛していないように見えたのは、バロンさんが不器用な性格であることと、もうひとつ。今までの『フェリシア』も、自分の感情を抑え込んで、たとえ寂しくても我慢してしまっていたことが、フェリシアさんから明かされます。

    そして、ルクレーシャさんも、ゲームで見ていた主人公らしい存在感やふるまいは、今回のフェリシアさんのように、傷ついた心を癒やしてもらったからこそのものなのだということが明かされます。


    この二人とフェリシアさんの関係が、ほんとうにすばらしくて、構成が巧みだなあと、何度も読み返して感動していました。

    最初にゲーム『アルカナ・ラヴァーズ』としての展開を示しておいて、今のゲームの『フェリシア』ではなく、フェリシアさんだからこそ見ることのできるシーンを描いてくださっていて……

    バロンさんの場合は、『フェリシア』では足りなかった親子の交流が豊かなものになり、
    ルクレーシャさんの場合は、彼女の心を癒やすのが、他でもないフェリシアさんになったことで、フェリシアさんとルクレーシャさんの関係が深く、強いものになりました。

    そして、今回のお話の最後では、ルクレーシャさんと仲良くなったことで、バロンさんとの親子関係もいっそう良いものになっていることが描写されました(フェリシアさんを撫でるバロンさんの場面、バロンさんからの愛情が伝わってきて大好きです)。


    『フェリシア』が今のフェリシアさんになったことで生まれる変化を、二人との関係から描いてくださった今回のお話、ほんとうにすてきでした。

    次回を読ませていただくのが楽しみです。

    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    このお話は、主人公がかつて遊んでいたゲームの世界です。
    しかし、ゲームの世界が現実の世界になったら、きっとゲームだけではわからなかったこともあるだろうな……というのは転生ものの小説を読んでいた頃から思っていました。
    なので、この回ではそういった点を出していこうと思い、このような展開になりました。
    フェリシアが、ゲームの『フェリシア』とは違うからこその変化の部分もお楽しみいただけたようで、嬉しく感じています。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。