第57話 君とヒーロー
潮風が吹き荒れる。俺は広大な海に向かい遠くを
「ドライバー!!!」右手を斜上に突き上げて左手は腰の辺りに拳を作りながら後ろに引く。そしてゆっくりと右手をゆっくりと弧を描くように回転させてから左手を逆に突き上げながら「変身!!!」
「桃子!キック!!」背後から思いっきり飛び蹴りを喰らって海の中に落ちた。突然海に突き落とされて溺れそうになる。
「たっ、助けて……」
「落ち着いてよ、ここ足が届くよ」桃子が呆れ顔で俺を見る。
「え!?……あっ、本当だ……」落ち着いてみると彼女の言う通り水は腰上位までであった。「金ちゃん!急に、蹴るなんて酷いじゃないか!」
「金ちゃんって言うな!だって、亮ちゃん変な事してたから……」なんだかオーディションの話をされて、思わず歴代の覆面ドライバーのポーズをやってしまったのだ。
「な、なんだよ!……見てたのか……」俺は恥ずかしくなって下を向く。
「私、スタントマンの事はよく解らないけれど、芸能界って大変よ。人気が出れば良いけれど、底辺の人達は衣食住も
「ありがとう、金ちゃん……、で、言いそびれたけど……、水着のブラ……取れてるぞ」俺は直視出来なくて背中を向けた。
「ゲッ!!」彼女は水の中にしゃがみ込むと近くに浮いていた水着を着用した。「早く言えよ!!で、金ちゃんって言うなって!!」彼女は名前の通りピンク色のビキニの水着を装着していた。その、水着の色を見て、なぜか昌子のことを思い出す。そうかあのCMで刷り込まれているのだ。
「そういえば昌子達は?」
「昌子さんとMIONさんは、ビーチバレーをしてるわ。社長は日光浴。後の二人は……知らないわ……」いや、本当にあいつらの扱い悪る過ぎないか。
「そろそろ夜のバーベキュー用の食材を調達しに行かないと駄目だよな」美桜が海辺でバーベキューをやってみたいと言っていた。そのリクエストに答えて今晩は皆でバーベキューパーティーをする事になっていた。道具は秋村達が調達してきた。
「そうだね!」桃子はピンクの水着を整えると笑顔で元気な返事をした。
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