629.遺跡探検

 さて、遺跡に到着したので仕事を分担しよう。


「んじゃ、僕はテントを張ってるね」

「俺たちは」


 ナナとレイアはテント作りだ(ナナのお腹にキャンプ道具が入っている)

 長居するつもりはないが、1泊くらいはするかもしれない。


「ぴよ! ごはんやテント作りのお手伝いぴよよ!」

「わふふー。頑張るんだぞ」


 ディアとマルコシアスも拠点づくりだな。


 俺とステラと砂コカトリスは遺跡の周辺部を回る。ウッドとヴィクター兄さんは中心部からだな。


「足場に気をつけてな」

「ウゴ! 頑張る!」


 感知能力に優れたステラと知識のあるヴィクター兄さんは別行動にしつつ、だな。俺とウッドはサポートだ。


 とりあえず昼過ぎまで、3組に別れて行動だ。

 別れ際、ヴィクター兄さんからぽにっと筒を4個渡される。


「何かあったら狼煙を上げてくれ。赤が魔物、青が遺跡で何か発見、黒が定時報告。黃が前の狼煙を取り消しだ」

「わかった。あとは地図でちゃんと確認をしないとな……」

「青はよほどの発見のときだけですよね?」


 ステラが問うと、ヴィクター兄さんが頷いた。


「大したことがなければ午後に調べればいいからな。今はざっと怪しそうなところをピックしておいてくれ」

「わかった、じゃあ後で」

「ウゴ、いってくるー!」


 そうして俺たちは遺跡の周辺部を調べてまわることにした。

 地道な作業だ。とはいえ、着ぐるみの中は涼しいので問題はないが……。


「ステラ、暑さは大丈夫か?」

「このぐらいなら、まだまだ大丈夫です……!」


 ステラが砂コカトリスのお腹を揉みながら答える。


「ぴよぴー」(もまれるー)


 ステラも砂コカトリスもほわほわしてるな。

 モチベーションが上がるのは悪いことではない。


「砂コカトリスの気になるところは、まず外周部にいくつか……か」

「ええ、砂ぴよちゃんと一緒に回らないといけないですね」


 砂コカトリス的にあやしそーな地点はいくつかあるらしい。なので、小分けに調べるしかない。


 遺跡の地面は砂の箇所もあれば、岩や石が敷き詰められた箇所もある。

 気をつけないと転びそうだな。


 ぽにぽにと砂コカトリスに案内されながら、遺跡を歩いていく。


 少しして、砂ぴよが羽をぱたぱたさせた。


「ぴよ!」(あれぴよー!)

「おっ、あれは……塔の壁か?」


 砂に半分埋もれかかった、壁。


 崩れた塔から転がり落ちてきたみたいな感じだな。

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