464.ボス、落ちる

 ステラのフルスイング。

 星クラゲのボスが投げ飛ばされる。


「ウゴ、勢いが……!」


 ウッドが不安そうな声を出した。

 俺もすぐに応じる。


「ああ、ちょっとパワーが足りない……かもだ」


 空中で絡まった触手ごとかっ飛ばすには、さすがに限界がある。


 星クラゲのボスは飛ばされてこっちに来るが――ぐわんと放り投げられた勢いが、急激に弱まった。

 空中で星クラゲ自身がブレーキをかけたか。


「だが、任せろ!」


 しかしステラがかっ飛ばした距離は十分過ぎる。

 俺の魔法の射程内に入っていた。


「そこだっ!」


 瞬時に魔法を発動させる。

 蔦が生まれて、素早く伸びる。それは星クラゲのボスに巻き付いていった。


 この魔法は速度と射程に優れるが、パワーはそれほどない。だが、かっ飛んでくる星クラゲを引き寄せるには十分だ。


「ウゴ、ひっぱるー!」


 ウッドも即座に反応して、蔦を引っ張る。


「よし、もう少しで……!」


 たぐり寄せた星クラゲを前に、ナナが電撃バリバリ棒を構えている。


「雷撃の射程に入るよ! 伝わるとマズイから、あと5秒で離して!」

「わかった!」

「ウゴ、ラジャー!」


 ジェシカとヴィクターは魔法で横槍が入らないよう、星クラゲの群れを攻撃している。


 間もなく、星クラゲのボスがナナの前に引きずり出された。


「よし……離すぞ!」

「ウゴー!」


 俺とウッドが蔦から手を離す。


「オッケー、雷撃を喰らえー!」


 ナナが電撃バリバリ棒を構えて――青白い雷撃を放つ。


 バリバリバリバリ!!!


「ウゴ! スゴイ雷……」

「これが最大出力か……!」


 ナナを中心に猛烈な雷が発生する。

 というか、思いっきりナナ本人にも雷が当たっているように見えるんだが……?


「ぴよ」(あっ、毛がチリチリしてる……)

「ぴよよ」(雷に当たると、ああなるのだ。ボクもチリった……)


 星クラゲは雷撃に焼かれているが、まだ動いている。長い触手をナナへと繰り出していた。


「……意外としぶといっ」


 それをナナはひょいと避ける。

 しかし、なおも触手はナナへと絡みつこうとして――。


「とーう!!!」


 戻ってきたステラが、星クラゲに飛び蹴りをかます。


 雷撃が当たっているような気もするが、気のせいだ。


 ズドンッ!!


 轟音が響き、星クラゲの傘にステラの蹴りが炸裂した。


 くるくるっとステラが反発を活かし、星クラゲから離れて着地する。


「どうですかっ!?」

「ああ、効果あったようだ。ばっちりのタイミングだな」


 どうやらこの蹴りが決め手になったか。


 星クラゲのボスは崩れ落ちて、動かなくなったのだ。



あとがき……マルちゃんとコカ博士の会話。


「バットで直接殴るのは、やはり駄目か」


駄目なんだぞ……!✧◝(⁰▿⁰)◜✧


「ヘッドスライディングでないだけマシか……」


ヘッドスライディングも用法容量を守って、安全にご使用くださいなんだぞ!✧◝(⁰▿⁰)◜✧


そして第2巻たくさんのご予約、ありがとうございますだぞ!✧◝(⁰▿⁰)◜✧

少しの間予約数がショートしていたようだけど、もう復旧したんだぞ。

これからもご予約のほど、お願いしますなんだぞ✧◝(⁰▿⁰)◜✧

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