ロケーションFー1 大祓④

 【登場人物】


坂本 章(15)……学生



佐倉 菜花(16)……高校生アイドル



鮎川 まりな(27)……崖っぷちアイドル


水森 あの子(17)……高校生アイドル



藤森 敦彦(45)……パーサー

片岡 冴子(39)……客室乗務員


中田 慎吾(53)……医師


【あらすじ】


 あの子が中田を介抱した。

 しかし、中々うまくいかなかった。


 一方の坂本くんとさくらは、キスを終えた。

 その瞬間、機内はさくらスメルで満ち溢れた。


 一般客席で粘っていたあの子。

 中田は無反応のまま。


 そこへ、さくらスメルが漂ってきた。

 だがそれは極薄く、誰も気付かない。


 中田は目を覚ました。

 中田は、あの子が介抱してくれたことに感謝。


 あの子は、自信を取り戻した。

 そして、大祓の仕事は大成功した。


◯JANA国内線・機内・一般客席(早朝)


   中田の前に立つ、あの子


あの子「(笑顔で)慎吾ちゃん、おひさーっ」

中田「アイ、ドル。アイドル」

まりな「あれ。私のときより元気」


冴子「(真顔で)さすがは元推し。侮れないわね」

藤森「(真顔で)その調子でがんばって」


(ナ)「一般客席は、大いに盛り上がっていた。その頃の坂本くんは」


◯JANA国内線・機内・プレミアム客席(早朝)


(ナ)「さくらと2人で、一般客席以上に盛り上がっていた」


   坂本くんとさくら、無言の舌戦を繰り広げる。

   坂本くん、イキそうになる。

   キスを辞める、坂本くん。


さくら「えっ、もうおしまい。つまんない」

坂本くん「ごめん。もう限界だよ」


さくら「仕方ないわね。じゃあ、あとでまたしてよ」

坂本くん「も、もちのろん」


(ナ)「2人はまだプレミアム客席。だが、さくらスメルは一般客席へと広がっていった」


◯JANA国内線・機内・一般客席(早朝)


   中田の前に立つ、あの子


あの子「(笑顔で)慎吾ちゃん、おひさーっ」

中田「アイドル、アイドル」

冴子「だいぶ意識がはっきりしてきたわ」

藤森「でも、決め手に欠くような気がする」


(ナ)「さくらスメルは極薄く、広がっていることには誰も気付きません」


   目を覚ます、中田。


あの子「(笑顔で)あっ、慎吾ちゃん。元気になった」

中田「おや。これはこれは。あの子ちゃんじゃないか」


あの子「回復したのね。うれしい」

中田「そうか。君が助けてくれたんだね」


あの子「助けただなんて。私は名前呼んだだけ」

中田「(真顔で)いいや。医師である私には分かるんだ。自分がどれほど危険だったか」


あの子「(涙目で)うん。死んじゃうかもって、心配だったの」

中田「ごめんよ、心配かけて」


藤森「おーっ。何とも美しい姿だろう。絵になるな」

冴子「アイドルとは、こういうものよ」


(ナ)「こうして、あの子の活躍で中田は快復したことになった」

(ナ)「本当は、さくらスメルが中田を救ったのではあるが」


あの子「私、頑張る。応援よろしく、ねっ」


◯宮崎の神社・境内・神楽殿前(昼)


   巫女装束を身に纏った、ばあじの3人。


まりな「どうですか、坂本くん」

あの子「似合ってるでしょう」

さくら「鉄板よね、巫女装束は」

坂本くん「うん。よく似合ってる。サイコーだよ」


   鼻の下を伸ばす、坂本くん。


あの子「どうぞお並びください。1札、1000円です」


   あの子、すごい勢いでお守りを配る。


坂本くん「あの子さん、張り切ってるね」

さくら「そうね。お手柄だもの」


   まりな、下を向く。


まりな「私、自信無くしちゃうわ」

さくら「あゆまりさんに自信があったってのが不思議よ」

坂本くん「さくら。いくらなんでも言い過ぎじゃん」


さくら「いいんじゃない、今日は。あの子1人に任せれば」

まりな「そうさせてもらいます」


さくら「じゃあ、坂本くん。行こっか」

坂本くん「どこに」


さくら「続きに決まってるでしょう」


(ナ)「不敬なさくらだった」


======== キ リ ト リ ========


あほ故に成り上がれるということもあるような気がします。


いつもありがとうございます。

これからも応援よろしくお願いいたします。 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る