最終話 未知の運命と白き聖女


あれから少し経った。私はいつものように暮らしていた。

ーピンポーンー

そして、玄関へ向かう。

「はぁ、また来てみればお前にしては珍しく落ち込んでいるな。」

「そう見える?別にそうでも無いと思うけど。」

「まぁ、お前がそう言うなら何も言わない。」

いつものように淡々としている私は確かに機械的だ。


そしてそのまま時が経ち、私は喫茶店に行き2人席の1つに座った。

「あの?相席よろしいでしょうか?」

ウェイターが言う。いつもの私ならアルマ君の代わりを求めて即OKなのだが、少し渋ってしまった。

「あ、そ、そうですね。いいですよ。」

そして来たのは長い白髪に赤い目…アルマの妹に似ているが、胸が大きくかなり大人の雰囲気があった。

「女か。ま、俺には関係ないが。」

見た目に合わない口調や態度だった。

「ん?お前…そのブローチ見せてみろ。」

そう言われて、従うままに見せた。

「これは昔にこの辺りで栄えた宗教にいた聖女が作ったブローチだぞ。誰に貰った。」

私はそのままあったことを話した。

「そうか、まぁ、気落ちするな。きっといいことはある。お前の望みはなんだ?私も出来れば協力する。俺はあれだが。」

その時、思った。この人の話し方がアルマ君に似ているということに。アルマ君より少し強引だけど、それも惹かれる。この人が女の人でなければ求婚まで行っているかもしれない。この時から私に希望が芽生えた。


ーピンポーンー

「何?アルマ君。私に何か用があるの?」

「なんか昔2人で暮らしていた頃くらいに変なテンションだな。ま、俺は前向きに捉えることにするよ。その変な性癖も。」

私はあれからあの時にあった女の人…確かミナって言ってたっけ。あの人に夢中だ。アルマ君の次に好きな人。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る