第1155話 聞き逃せない言葉
ソフィは『旅籠町』でコウゾウから頼まれて預かって来た書簡をミスズに渡し終えた。書かれている内容をソフィは知らなかったが、どうやらミスズの様子を見るにコウゾウからの思いは無事にミスズに届けられたのだろう。
読み終えたミスズに感謝の言葉と笑顔を向けられたソフィは、この女性はこのように笑うのかとばかりに、これまでの戦闘の最中に感じたミスズの印象を一変させるに至っているのだった。
「クックック、どうやらその手紙は余程お主を喜ばせる内容だったようだな」
上機嫌になっていく様子を見ていたソフィはミスズと会話を続ける。
「ソフィ殿はコウゾウと共に行動をしていて、彼が戦っているところを見ましたか?」
「『
「その『
どうやらソフィが全てを告げずとも言いたい事はミスズに伝わったようで、ソフィが話を終える前に被せるように、ミスズがそう告げた。
ソフィの言葉に食い気味に被せてきたミスズだったが、何やら彼女にしては珍しくむすっとしていた。眼鏡を外している時であればいざ知らず、眼鏡を掛けている時に彼女がこんな顔を他人に見せるのは珍しい事だった。
「成程『
「そうだな。コウゾウ殿が戦ったところは、そこまで記憶に残っておらぬな。先程ここに現れたシグレ殿が戦うところの方が、多く見た程だったと記憶しておる」
ソフィからコウゾウの戦いぶりをよく知らないと聞かされた事で、彼女は残念そうに首を傾げるのだった。
「そうですか。貴方程の力量を持つ者でしたら、しっかりとコウゾウが戦うところを見て頂けていたら、相手が『
この世界に居る者達やサイヨウから、ある程度の話を聞かされてきた事で『
「明確にランク差という物は分からぬが『
「失礼。誤解を招くような発言をしてしまったようです。 『
「『
何気ない解説のように聞こえるが『
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