第1119話 世界の概念と原理の内側
スオウから聞かされた言葉にソフィとセルバスは、言葉にすれば同じような応答表現を浮かべたがその実、それぞれの意味合いは全く異なるのだった。
(この世界は確かに侮れない者達が多く居るのは理解出来たが、それでも
ソフィがシゲンに関心を抱いている横で『
魔族のセルバスにとっては十年という期間は、ついこの間という感覚だが、同じ魔族のソフィにとっては、人間の感覚と同じとまでは言わないが、それでも人間の思う『
普通の人間の寿命を持つエルシスと付き合いが身近にあったソフィと、同じ人間であっても寿命という概念を覆すような元人間と呼べる大賢者ミラと身近にいたセルバスとでは、その年月の感覚の違いが如実に現れていたのだった。
(何よりミラ様は自然の大精霊達が生み出す『
『
大賢者ミラという教祖はソフィやシゲンとはまた強さの種類こそは違えども、ある意味で世界そのものを自分の思い通りに作り変えて、自分達だけの楽園や世界を生み出させるという、ある意味でこれもまた、
『
ソフィから見ればそんな物は
アレルバレルの世界出身で最強の大魔王の配下となる事を選び、更には自分の信ずる教祖が消滅させられたと知ったセルバスでさえ、まだこうして大賢者ミラを想う部分がある事からも、教祖ミラとしてその絶大なる影響力は、完全には消え去ってはいない。
大魔王ソフィに大賢者ミラの両名の持つ『
「さぁ着いた。ここが特務の訓練場だよ」
ソフィやセルバス達が思慮の深淵の旅路に向かっていた間に、どうやらナギリという男が居るかもしれないという訓練場に辿り着いていたようであった。
スオウが訓練場の扉に手を掛けると、ゆっくりと中の光景が目に飛び込んでくる。そこにはだだっ広い空間に、一人の人間が刀を構えて立っていた。その者は確かにサカダイの町に入る時に居た人間で姿形に間違いはなかったが、町の中で見た時とは明確に違っている部分があった。
それは部屋の中に居る、一人の『
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