第1095話 仲間への信頼と、現状打破をする為の模索
自身が動きを止めているコウゾウの前でヒュウガは、遅いと苛立ちを感じ始めていた。それを見ていたコウゾウは、口には出さないがその理由を分かっていた。本来であれば『
それは『
だが、この旅籠町にある『
――何故ならばこの屯所内には今『魔』を司る者達にとっては『死の結界』と呼べるモノが施されているからである。
コウゾウは退魔士ではない為に『魔力』を使って戦う事には慣れてはいない。それどころか慣れる慣れない以前に『コウゾウ』は魔力を扱えない。
どんな人間であっても少なからず『魔力』は持っている。それはコウゾウであっても例外ではなく、彼も微弱ながら魔力は有している事だろう。しかしこの世界では『
消失された事柄の存在を今を生きるノックスの世界の人間達が知りようもある筈がなく、魔力というモノはあれどもそれは『
これは子供に対して大人が騙す騙さないではなく、そのものを教える大人自体が知らないのである。つまり幼少期に魔力の量が少ないと判断されて『
ゲンロクが『
そんなコウゾウはソフィがこの屯所に張った『結界』一つで捕らえている『
ただ『
そしてどうやらそれは本当の事だったようで、目の前に居るヒュウガと呼ばれていた『
いくら『
『
魔力を使えない『
コウゾウはそこまで考えて後は、目の前に居る彼だけを何とか出来ないものかと、動けなくされている状態で模索を始めたが、そこに屯所の扉が開かれた。
コウゾウは身体を動かせない状態だが、屯所の正面に居る為に出て来る人影の姿を見る事が出来た。その人物はやはり、コウゾウの想像通りにシグレだった。
(流石シグレ達だ!)
屯所から出てきたシグレの姿に、内心で嬉しそうな声をあげたコウゾウだったが、襲撃してきた来訪者の『
(は……?)
「どうやら力尽きてしまったようだな、
「シッシッシ! 魔力を使えぬお主を殺さずに手を貸してやったのだ。その儂に感謝こそすれどそのように、でかい口を叩くでないぞ主よ」
「ふん、別にお主を出さずとも何とでもなったわ」
「ククッ……! そうは見えんかったがの」
シグレの後に屯所から出てきたのは、先程の『
その妖魔の顔は鳥のような嘴が特徴的で背中から羽を生やしており、コウゾウよりも高い『
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