第1090話 旅籠町に到着するヒュウガ達
コウゾウは見回りを終えて屯所の近くまで来ると、感慨深そうにもう一度振り返ってこれまで何度も歩いた町並みを見渡す。
(今後はシグレが隊長となって、俺の代わりにこの町を守って行ってくれる筈だ。彼女が副隊長だったおかげで俺は随分と助けられた。今度は隊長となる彼女を支えてくれる者が出てくる事を祈るばかりだ)
この町に居る護衛隊の『
(次の副隊長を決めるのは、次の隊長になるシグレの仕事だ。もう俺が決める事じゃない。それにシグレに任せておけば問題はないだろう)
コウゾウはシグレの優秀さをよく知っている為、これ以上は彼女に任せようと判断して、再び前を向き直る。
そしてコウゾウは残すところ、あと数回となるであろう見回りを終えて屯所の中へ戻ろうと足を前に出し始めた。
ふと、そこでコウゾウは屯所の近くの旅籠町の入り口に、赤い狩衣を着た数人の『
その『
「おや、キミの顔は何処かで見た事があるな。確か『
チェーンが付いた特徴的な眼鏡を掛けた男が、コウゾウにニコリと笑い掛けながらそんな事を告げてきた。
「あ、ああ、確かに俺は『
こんな辺鄙な旅籠町に生粋の『
「ははははっ! これは異なことを言われるじゃないか。我ら『
特徴的な眼鏡を掛けた『
目の前の特徴的な眼鏡を掛けた『
確かに先程の言葉は失言だったと、コウゾウは謝罪の気持ちを抱いて頭を下げたのだった。
「いやいや『
なぁ? とばかりに眼鏡を掛けた男が隣に居た『
「しかし丁度いい時に君に出会ったものだ。少し尋ねたい事というか、君に頼みたい事があるのだがいいかな?」
「は、はぁ……」
コウゾウは少しだけ目の前の男の空気が変わったのを感じ取り、無意識に視線を他の『
「この旅籠に捕らえられている二人の『
……
……
……
「ふぅっ、疲れました……。こんな山のようにある仕事が一日の分量だなんて信じられませんね。いつも平然とこなしていた隊長は本当に凄いお人ですよ……」
机に座ってこれまでコウゾウがしていた仕事を引継ぐという事で代わって行っていたが、その膨大な仕事量に目に手をやりながら溜息を吐いて愚痴を零した。
「もうこんな時間ですか。今日の隊長の見回りは、いつもより輪をかけて長いですねぇ」
いつもなら帰ってきている時刻になってもまだ戻ってきてないコウゾウに、この旅籠町を離れる事を名残惜しんで旅籠町を見渡しているのだろうと考えた。
屯所に捕らえられている『
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