第886話 鬼頼洞
「ぐっ……ぎぎっ!!」
『
既にこの場に居た『退魔組』よりも強い力を持っていたであろう、イダラマ一派の護衛剣士達でさえイダラマの『結界』の影響下でなければ『
「……」
先程『
エヴィはちらりとイダラマを見つめた後、イダラマの結界がどれくらいの規模かを把握し、自分が今から『
何故なら、
当然『エヴィ』程の大魔王であればそれくらいの事は熟知している。馬鹿みたいに相手を判断せずに『
だがそんな彼でも『イダラマ』の結界を把握しなければならない程に『
「『
そしてようやくエヴィは、イダラマの結界の影響下であれば、鬼頼洞に対して『
【種族:鬼人 名前:鬼頼洞 状態:覚醒(解脱状態)
魔力値:150万 戦力値:測定不能 所属:イダラマの式神】。
「成程……。これが本当の妖魔か」
『
『九大魔王』という大魔王領域の最上位に位置するエヴィは、敵の力が自分を上回っていたとしてもそこまで
これはソフィやヌーも実際に言っていた事だが、あくまで『
――単に相手の数値を見て、慌てふためいているようでは一流とは言えない。
戦い方や過去から来る経験則。それに運といった要素を踏まえた上で『特異』や『能力』の戦い方次第で結果はいくらでも変えられる。
その事を熟知しているエヴィは、あくまで目安として鬼頼洞を通して『妖魔』というその存在を脳裏に焼き付けるのだった。
エヴィが『妖魔』という存在をインプットしている様子を見せている隣で、イダラマが静かに口を開く。
「あの状態となった『
「ランク『5』……か」
先程までの退屈そうな表情を周囲に見せずにエヴィは、鬼頼洞とスー達の様子を真剣な顔で見つめるのだった。
……
……
……
「駄目だ……。結界の中でこれだけの圧力を感じる以上は戦いになどならない……。スー。辿り着けないかもしれないが、ここはいちかばちか『加護の森』まで退こう」
「……」
どうせ逃げられないと分かった上で、イバキがそうスーに提案するが、スーは動こうとしない。それどころか無言でイバキを守るように立ったままだった。
「スー……?」
いつまでも返事が無い為、イバキは再びスーに話しかける。
「先程申した通りだイバキ。劉鷺が戻って来るまでこの場から動く事は得策ではない」
そう言って精神を統一させていたのか、目を瞑ったままゆっくりと息を吐いた後、ゆっくりとイバキを一瞥しながらそう告げた。
「スー……」
……
……
……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます