第864話 エヴィの行方
「それでエヴィは無事だったのか?」
ソフィの配下である『エヴィ』 は『
リラリオの世界や数多の世界であっても大魔王として君臨出来る程の強さを持つ魔王だが、この
まだソフィ達は『
それも本気で戦ってるとは言い難い。だがそれでも『退魔組』の連中とは手を合わせている。
『
かつてのアレルバレルの世界で二位の強さまで登り詰めたその大魔王『ヌー』でさえ、
天衣無縫のエヴィは戦力値自体はそこまで高くはない。独特性を持つ特異や巧みに魔法を操り、その稀有な戦い方を以てして、ソフィに認められた魔王である。
他の魔王軍の者達と手を合わせて戦えば、そのエヴィの存在感は他に示す事が出来るだろう。しかしエヴィが一人で、
ソフィがゲンロクという『
「小生が聞いた話では、突然現れた
「それでどうなったのだ?」
「小生が得た情報では、その時に居合わせた『イダラマ』が『ゲンロク』の屋敷から少年を連れ出して逃げたらしい。その後の事は分からないが、捕まったとも聞いていないし、今も『イダラマ』と行動を共にしているだろうと推測できる」
「そのイダラマという男は一体誰なのだ?」
「『イダラマ』という男は小生と同じ『
「保守的な考えを持つ者が多い『
――だが、と一呼吸を終えたエイジは再び口を開く。
「イダラマは『退魔組』に居る『退魔士』とは違い、生粋の『
「なるほどな……」
ひとまずエイジも詳細が分からない以上、どういう理由でそうなったのか結論は下せないようだが、分かっている事と言えば、ソフィの配下のエヴィは何処かで『転置宝玉』の情報を手に入れた後、そのアイテムを持つと思われる『ゲンロク』という男の屋敷に乗り込んだ。
そして『ゲンロク』という男とその護衛達を相手に一悶着起こしてその場に偶然居合わせたのか、はたまたエヴィと行動を共にしていたか、そこまでは分からないが、ゲンロクと懇意の間柄であったイダラマという男がエヴィと逃げだしたというのが、実際に分かっている事のようであった。
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