第90話 給料を少しでも手元にください
「レオンよ……お主なんで──そんなやつれておるんじゃ?」
バランと俺、アナスタシアで現在、食事をしている。
そんなにやつれているのだろうか? アナは凄い艶々してるけど……。
「色々あってな……」
明るい内からヤりまくってましたとは言わない。
俺的には超回復で体は万全なんだが……もしかして精神的な物なのか?
吸魂で得た──絶倫さんが効果を発揮してたのかわからないぐらい激しかった……。
隣のアナスタシアさんはニコニコしてらっしゃるけど底無しなのか!?
「お主ら激しすぎなんじゃよ……」
わかってんなら聞くなよっ!
「まぁ、そんな事はええわい。とりあえず──金の件じゃが……とりあえずシャーリーに連絡を取ったらお主の参加を認めるそうじゃ。報酬はわしと同じ金貨500枚じゃ。生き残れば必ず貰える──死ぬでないぞ?」
先程までの呑気な調子ではなく──真剣な表情でバランは言う。
「俺は死なない──必ず討伐する」
俺は死なない──アナスタシアを真の解放をするまでは死ねない。
「良い表情じゃ。それと──給料の件も聞いておるぞ? 確か金貨10枚じゃな。お主には国からの強制的な命令は基本的にないそうじゃ──故にわしらの半分じゃな。金はお主の仲間に渡されておるから安心せい」
「そうか。聞いてくれてありがとな」
これで、皆の生活も大丈夫だろうし────俺も安心して戦える。
しかし、まだ問題がある!
────手元に金が一切ないんだが!? 普通本人に少しぐらい渡さないか!?
後で借りるか……。
「さて、今後の話に入るぞ? まず、助っ人が揃ったそうだ。明日に各国の助っ人が全員集まって作戦会議じゃな。王城に向かう──無論、お主も参加じゃ」
「げっ、マジかー。面倒臭いな……バランだけで良くないか?」
例の事もあるし────正直行きたくないな。
「これも八首の責務じゃ────お主も討伐に参加するなら、連携を取るために参加せい。こんなとこで死ぬ事は許さんぞ? わしらは────ヤマト王国の厄災時に必ず必要な人材じゃからな」
「────わかったよ。明日だな」
バランの睨みを効かせた有無を言わせない迫力に俺は頷く。
「うむ、ちなみにわしらだけじゃからな? 国から派遣されてる中で2人なのは──他は1人じゃな」
「はっ? 世界が滅ぶかもしれない厄災が復活するのに派遣人数少なくないか?」
十傑で派遣されてるのジョンだけ? 帝国のセスも七武将なのに1人だけしか来てないのか?
「どこもかしこも──様子見じゃな……厄災自体が数百年ぶりじゃからな。派遣してない国がほとんどじゃわい。脅威がわかっとらんのじゃろう。更に言うとじゃ……大体が──1番弱い戦力を派遣しておるぞ? わしはしぶといから派遣された口じゃがな」
ジョンとセスは確かに前者の可能性が高いな……死んでも痛くない人材という事か……。
「それで──結局の所、何人が参加なんだ?」
「6人じゃな。お主を含めてのう」
という事は──四ヵ国の参加という事か。この大陸にはもっと国があったはずだが……。
「それで対応できるのか?」
「ヤマト王国、聖王国、ジルバ帝国、アリアナ水国の四ヵ国……まぁ無理じゃろうな。だから──生き延びる事を最優先にするようシャーリーから言われたわい」
アリアナ水国って確か──アルステラ王国の次の厄災発生場所じゃなかったか? 海上都市って女神は言っていたが、後で調べてみたら海上都市はアリアナ水国しかなかった。
「生き残るか……」
「うむ、更に追加情報じゃ。今回の参加国は帝国を除いて──厄災復活の兆しがあるそうじゃ。帝国は利権狙いじゃのう」
「────はぁ!?」
つまり、助けに向かったという既成事実を作って────上手く行ったら自国も助けてねって事か!? 帝国とか弱み握る気満々じゃねぇか!
「まぁ、わしらもヤバくなったら退避命令が出ておる。もちろんお主もじゃぞ? ──では明日の朝に迎えに行く──夜は程々にするのじゃぞ?」
そう言い残して部屋に戻って行った。
思ってた以上にヤバいな。ジョンとセスは使い捨て扱いか……。
──あっ!? しまった! バランに金を借りるの忘れてた!?
そういえば──アナがえらい静かだったな……。
俺は視線をアナスタシアに向ける。
「んふふっ」
アナスタシアさんや……全く話聞いてませんでしたね?
惚けた顔して妄想している姿がそこにはあった。
「おーい」
俺は話も終わったので声をかける。
「──ん? あれ話も終わったの? じゃぁ部屋に戻ろうか? 今度はレオからたくさん愛してね?」
────まだヤるのか!?
そして、またアナスタシアに連行された。
翌日の朝──
「程々にせいと言ったじゃろうがっ!」
とバランに会った早々に言われ──
王城に向かおうと宿を出る際にジョンとセスに出会い。
「彼女ほしいぜ……」
とジョンは哀愁を漂わせ──
「昨夜はお楽しみでしたね?」
とセスにはニヤニヤしながら関西弁じゃない言葉で揶揄われた。
アナスタシアはニコニコと満足した笑みを浮かべ──
──俺はもちろん、げっそりとしていた。
そういや、アリアナ水国の助っ人見てないな。まぁ王城行けば会えるか……。
俺達4人は雑談しながら王城に向かって歩き出す。
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