第58話 3人の円陣会議
扉を壊したことを謝罪しに行ったが、
宿の人曰く、元から建付けが悪かったらしく壊したこと自体は不問になった。
その後、マジョは疲れたのか
仮面を付けたまま、すやすやと眠りにつき
その隙をついて、
ユシアとセンシとソウリオの3人はこっそり
円陣を組んで今朝のマジョの行動について話し合う。
「なんだ?あの女、敵なのか?」
センシが武器を構えるのをユシアがまぁまぁと制止する。
「確かにあの動作は、ワザとらし過ぎる、どう見ても故意だ」
ソウリオが率直な感想を言うと、
センシは剣を抜き始めるのをユシアは止める。
「だが、待って欲しい・・・攻撃を加える事が目的ならば、いつでも、その隙があったはずだ」
「まぁ確かに」
おそらく・・・マジョ殿は・・・『ふたりの裸を見たかった』のではないか?
は?
ソウリオは推理を続ける。
私は聖教会の殉教者だから、こう言う事には疎いのだが・・・男の人に対してガツガツ攻めるタイプの事を『びっち』と呼ぶのだろ?
聖教会の立場からしては、誠にけしからん!けしからんのだが、
年頃の女性で、マジョ殿くらい美人ならば
そういう事もあるのかもしれん、いや、ホントけしからんけれども!
(男の裸見るために、扉を壊す『びっち』がどこに居るんだよ)
センシはソウリオの見当はずれの推測にすっかり毒気を抜けれて呆れている。
ユシアは、
裸を見たかったというソウリオの証言について
嫌な予感をぬぐい切れない。
もしかして、マジョはユシアの股間にある勇者の証に気づき始めているのではないか
そんな予感がユシアの頭を駆け巡る。
上でその様子を聞いているフェリをちらりと見る。
(フェリに相談・・・いや止めとこう・・・あいつに話したら『自分から堂々と晒していくべき』とか言いそうだし)
ユシアは、一息ついて言葉を飲み込む。
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