第57話 確認しなければならない、ユシアのこ・・・




「おお・・・マジョ殿は・・・本当に美人だな・・・」





ソウリオは感嘆の声を上げる。


眼はギラリと大きく、まつ毛も長く、

青みがかった綺麗な黒い髪

その顔はひどく整っていてまるで人形の様


足もすらりと長く、スタイルもいい。



そして何より・・・胸の部分が・・・しっかり膨らんでいる。



「ぐ・・・」


ソウリオは、自身の貧相な胸に手を当てて

嫉妬交じりの目線を送る。




「そう・・・かな?」



マジョは、自身の容姿にあまり関心がない。

幼い頃から誰とも会わず、図書館に幽閉されていた様なものだったし

仮面部隊に入ってからは、だいたい仮面を付けている。




・・・




この私、マジョは、

現在、ユシア一行のパーティに潜入中だ。


なぜか仲間になった事にされているが、

逆に好都合か・・・





その目的は・・・





ユシアという男が、『勇者』かどうかを確かめる事にある。




ユシアの・・・こ・・・




こ・・・・・・




・・・



ユシアのある体の一部に

『勇者の証』がないかどうかを確かめるのだ。








$$$









「おら、次は『男』が着替えるから、お前ら出てけ」



朝の着替え


私達は、なぜか4人同じ部屋に泊まっているから

男女交互に廊下に出て着替えをおこなう。


先に着替えを済ませたソウリオ、マジョ、フェリを追い出すようにセンシは手を動かす。




・・・




マジョは、廊下で待ちながら考える。



ユシアが着替えている・・・



という事は・・・チャンスなのでは?



自然に、偶然を装って

・・・その部分が・・・見えてしまったのならば、仕方ない

そう、あくまでこれはラッキースケベ的な事象



マジョは立ち上がって、ワザとらしく、ふらつく。




「あー、急に眩暈がー」




扉に寄りかかるフリをして、扉に手をかける。


む、鍵がかかっている。


この程度・・・



私の腕力にかかれば・・・



ただの板同然・・・





メキッ・・・メキメキ!!!





「マジョ殿!?」


腕力に物をいわせて、鍵ごと扉をこじ開ける。



扉の先・・・



驚いた顔のパンツ姿のユシア・・・

もう着替えた後の様だ。


(ちっ・・・一瞬・・・遅かったか)


マジョは内心舌打ちをして、次の作戦を考える事にした。





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