第30話 道を塞ぐ大岩
ススラカの街と王都への主要街道は今現在、通ることが出来ない。
牛鬼襲来時、魔王軍によって
主要路の洞窟が大岩によって塞がれているためだ。
しかも、岩だけでなく、その岩の周りに毒々しい色のツタが巻き付いていた。
「ここは・・・『魔術結晶』で吹っ飛ばすか」
センシの説明
魔術結晶とは魔力を与える事で
大爆発を起こす土木工事用の結晶を入手して道を開こうという考えだった。
魔術結晶は高値で取引されるため
センシは街の商人とどう取引するか悩みながらススラカの街に戻っていった。
ユシアは ぽつんと その場に残る。
一応、魔王軍の残党が残っていたら始末するように言われているが誰も居なさそうだ。
と思っていたのだが・・・
「フェリ・・・後ろ・・・何か居るよな」
「ひっ・・・」
フェリもそれに気づいて真っ青になってユシアに駆け寄る。
物陰から俺たち誰かが見ている。
黒ずくめの衣装に、仮面を付けている。
アレは『鬼の面』だろうか
魔獣ならばすぐに襲って来そうなものだが
何も言わず、じっとこちらを監視しているのがまた恐怖を感じる。
ユシアは斧を構える。
相手もこちらの戦意を察してか構えを取る。
武器も何も装備していない・・・
素手で構えの態勢を取る相手・・・
だが、ただのコケ脅しではなく、かなりの練度が高く
戦闘慣れしている者のそれだとなんとなく察する。
「こいつ・・・デキる」
どちらも手を出さないまま膠着状態が数十分続く。
時間が経つほどに
相手の構えが徐々に崩れ、息が乱れる。
そして、ついにはポロリと仮面が取れる。
少年?
いや、女だ。
長い黒髪の少女が、ふらふらとその場に倒れてしまう。
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