『勇者の証』が『股間』に出たけど、ボロンする勇気がないので偽勇者に追放される ~今さら本物の勇者だと気づいても、もう遅いこっちは美人姫騎士とのんびり旅を進めるんで~
第27話 偽勇者ザーコのよいしょよいしょ
第27話 偽勇者ザーコのよいしょよいしょ
「んんん・・・マーベラース!!」
今日も王都聖教会のマゼンダ司教の勇者を褒め称える声が教会中をこだまする。
勇者が来る前は、かなり緊張して張りつめた顔をしていたが、
勇者の姿を見るや否や彼の機嫌は一変する。
とても上機嫌だ。
正直ちょっと引く、いや、気持ち悪いほどに上機嫌なのだ。
今日も勇者の力を見るために
修練場で的を準備させる。
「はっ!」
ザーコが放ったファイヤーボール(ちょっと温かい空気球)が5m離れた『的』に当たる。
下を地面に固定すらしていないそれはポトリと倒れる。
「んんん!素晴らしい!!!」
マゼンダ司祭は飛び上がって賞賛を送る。
「何という才能か!」
「今の魔術の威力、とてつもない破壊力!、今のは魔王ですら致命傷ですぞ!」
今までに見た事がないテンションではしゃぐ。
マゼンダ司教に戸惑う周囲
「なぁ、皆もそう思うよなぁ?」
・・・
「あ、はい」
「素晴らしいと思います」
乾いた笑顔で拍手を送る周囲
彼らはきっと、マゼンダ司教は勇者を褒めて伸ばすつもりなのだと
そう思い込むことで周囲の異常をなんとか受け流そうとしていた。
「全然、こんなの大したことないぜ?」
ザーコは
周りのよいしょよいしょに、いい気分でドヤ顔する。
「くううう、最高にCOOL!!」
周りの歓声は途切れることなく続く。
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