第19話 武器選びと魔獣の襲来
前回までのあらすじ
ユシアの情けない姿を見かねて
フェリは武器を盗もうと試みたが、
武器屋のおじさんは妖精が見える人だった。
(え・・・私の姿が見えるって事は・・・もしかして?)
フェリはおそるおそる股間へ視線を送る。
(おい、真っ先に ソコ見んなよ)
ユシアは何か言いたげな目をフェリに向ける。
※フェリが探知魔法で確認したが、勇者ではないらしい。
それはともかく
武器屋の主人の バートさん と 妻のセントさん は
初心者のユシアに丁寧に武器についてのレクチャーをしてくれた。
バートさんは片足が義足だった。
杖で歩きながら店の武器を手に取って教えてくれる。
「あれ、ということは、もしかして君は、最近センシが助けたっていう、スライムに敗けた子かい?」
うぐ、
こんな武器屋の人まで知ってるなんて
結構噂広まっているんだろうか
ユシアが気落ちしているのを見て
バートさんはフォローを入れる。
「いや、実はセンシはウチの息子なんだ」
「え・・・あの、この間は、助けていただいてありがとうございました」
ユシアはセンシにお礼を言いに行ったが
言いそびれてしまった事を話す。
「あー、あの子は本当にぶっきらぼうだからね、気を悪くしないでおくれ」
むしろ俺に話しかけるだけの勇気がなかったというか
空気が重かったというか
「センシは表情には出さないけど、優しい子だよ、今だって、この魔王軍に狙われているススラカの街を守るために奮闘してくれているんだから」
バートさんは自分の息子センシの事を自慢げに話す。
セントさんはその様子を見て微笑んでいる。
酒場のセンシの様子が頭の中を駆け巡る。
きっと、戦況は悪い。
強そうな仲間が去っても
それでもなお、戦おうとしているのは
ここが故郷で、大事な家族が居るからだ。
カンカンカン!!、カンカンカン!!
突然鳴り響く鐘の音
街の外に魔獣が襲来した時の避難警報のようだ。
教会に避難するように!という兵士の声が周囲に響く。
「大丈夫、きっとセンシが、この街を守ってくれる」
ユシアは、汗が止まらない。
呼吸が荒い。
・・
・・・
・・・・
力が欲しい・・・
何か、何かないか・・・
「バートさん、そこに立てかけてある『斧』借りてもいいですか?」
「え、そんな生活雑貨品で何を?」
バートさんがそう言い終える前に斧を持ってユシアは駆けていく。
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