第15話 助けてくれた男
女神に選ばれた勇者・・・最弱のスライムに敗北する。
幼い頃より勇者のサポート役として教育を受けてきた
勇者を崇拝するフェリにとって、その衝撃の凄まじさたるや
天地がひっくり返るほどである。
しばらく、思い出さないようにしていた、故郷の世界樹が燃える記憶が蘇る。
勇者がこんなことじゃ・・・勇者がこんなザマじゃ・・・
もう終わりだよ、この世界
そんな後ろ向きな考えすら
頭の中ににじみ出てきてしまう。
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「うう・・・」
ユシアの意識が戻る。
診療所のような場所に寝かされている。
「ユシア!気づいて良かった!」
フェリが気づいてこっちに飛んでくる。
「俺、敗けて気絶して・・・」
「君はスライムに食べられそうな所を センシさんに 助けられたのよ」
話を聞くと俺は気絶した後、
たまたま通りかかった、
センシという名前の人に助けられたらしい。
センシ=ローガンは、この街では一番強い魔獣討伐士で有名人だそうだ。
王都でも活躍していて、10本の指に入る実力者であることから、『十天衆』のひとりに数えられるほど
「ん、居場所?・・・もう日も落ちたし、センシさんは今、通りの酒場にいるんじゃないかしら」
ユシアは彼の居場所を尋ねる。
フェリはそんな事聞いてどうするのか疑問に思って聞くが
「いや、助けてもらったし、お礼しないと」
「あ、そう」
どことなく、
田舎の習慣が抜けてないように感じなくもないが
まぁいいだろう
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