第14話 VSスライムの死闘




このススラカの街は現在、

「もうすぐ魔王軍が攻めてくるのでは?」という専らの噂である。





周りは崖が多く敵軍として

中継ポイントとして有用で

地理的にも王都の援軍が出し辛い位置にある。



街には人が減る一方であるそうだ。



だがらこそ、

街の兵力を雑多な魔獣討伐に振ることも出来ず

魔獣討伐ギルドに就職しやすくなっているとも言える。







$$$








ユシアが魔獣討伐ギルドに登録して、



最初に依頼を受けた魔獣は「スライム」である。



初心者向けの獲物であり、

慣れた者なら子供だって倒せる。




「ユシアなら余裕ね、さっさと倒して次にいきましょう!」





などと言って、

余裕ぶっこいていたら





「何よ・・・これ・・・」





とぉ!



えい!





必死に棒で攻撃するユシア

スライムはひょいひょいとそれを避ける。




「ちょっと!何遊んでるのよ!」


(真剣にやってるんだが)




ユシアの棒の攻撃は一向に当たる気配がなく、

逆にスライムの体当たりをお腹に何度も受けて

ユシアの体力がゴリゴリ削れていく。




え・・・え・・・こんな・・・こんな事って・・・




残り少ない体力を振り絞り、棒を思い切り上から叩きつける。


地面は盛大にえぐれたが、

スライムには当たらず、


カウンターとばかりに飛び上がったスライムの体が顎にヒットする。



「ユシアーー!!」



ぐらりと揺れる脳天

気絶する直前、灰色に染まる曇り空がわずかに見えた。





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