170. 異世界956日目 ヤーマン建国祭

今回は結婚式前後の別視点からの話がメインとなります。思ったよりも話が長くなってしまいました。

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 結婚式の翌日に改めて参加してもらった人達に挨拶に行った。いろいろとやったのでどうかと思ったんだが、みんなとても楽しめたと言われてほっとしている。みんな建国祭まではこちらに滞在してから国や町に戻るようだ。


 建国祭まではみんなと一緒に買い物や食事、祭りを楽しんだ。かなりの人数になるので全員と一緒に行動はできなかったが、久しぶりに皆と色々と話ができて良かったよ。

 さすがにクリスさん達や、ラクマニア様達、ジョニーファン様達は忙しそうだったので無理だったけどね。それなのに結婚式に参加してもらってほんとに申し訳なかったと思っている。



~ルミナSide~

 今回ジェニファーがジュンイチさんと結婚するという話をアキラとマラルから聞いて驚いたと同時に「やっとなのね。」と思ったのは私だけじゃなかったはず。メイサンだけでなく二人も同じようなこと言っていたからね。

 二人は結婚式には行くつもりみたいで、ジェニファーと連絡を取っているようだった。私たちもできれば行って直接祝福してあげたいのだけど、宿のことと費用がねえ。宿の運営をメイサン一人に任せるわけにもいかないし、行くのだったらメイサンも一緒に行きたいと思うだろうからね。


 せっかくなのでお祝いの品だけでも渡してもらおうかと思っていたんだけど、マラルから一緒に行くなら移動の費用はかからないと言われてかなり悩んでしまうこととなった。さらにジェニファーからは宿は向こうで準備してくれると言われていると聞いてメイサンと相談する。


「そういえば一緒になって一度も旅行なんて行ったことがなかったな。式も簡単に挙げただけだったし、せっかくの機会だから行ってみるか?」


 メイサンはかなり前向きに考えてくれたので、その間の宿の営業のことをどうするかという話になった。長期宿泊の人もいるので勝手に休むというわけにもいかないと悩んでいたら、その間だけは他の宿に移るけど戻ってきたらサービスしてくれよなと言ってくれた。ありがたいことだわ。まあ彼らもジェニファーのことは知っていたので、お祝いの言葉を伝えることになったのだけどね。

 結局1ヶ月近くの収入がなくなるし、費用もかかるけど、そのくらいの蓄えは十分にあるので行くことに決めてからすぐに準備に取りかかった。



 結構な強行軍での移動だったみたいだけど、初めてこんなに遠くに出かけるせいか何もかもが目新しくて楽しかったわ。しかも一緒に行った人達はジェニファー達の知り合いが多かったことから話題も尽きなかったしね。途中の大きな町のアーマトを経由してからサクラの町まで一気に移動することになったけど、それほど退屈することもなかったわ。



 サクラに到着すると、私たちが来たことに二人はかなり驚いていた。連絡してもらっているかと思ったのにどうやら詳細は秘密にしていたらしい。二人の幸せそうな様子を見てやってきて良かったと思ったわ。


 宿も手配してくれていたのだけど、かなり豪華なところでちょっと驚いてしまったわ。もっと安いところでいいと言っても私の恩人だからかまわないと言って譲ってくれなかった。せっかくなのでサクラの町の滞在を楽しむことにしたわ。

 始めてこんなに大きな町に来たのでメイサンと二人で色々と見て回って色々と食べて回ったわ。宿屋の料理について色々と参考になったわ。


 参加するだけだと思っていたのだけど、結婚式のパーティーで私のことについて思い出を話してほしいと言われてちょっと驚いたわ。私なんかでいいの?と思ったけど、「私がこっちに来て困ったときに一番助けてくれたのだからルミナしかいない。」と言われたらしょうが無いわね。おかげで考えるのに一日費やしてしまったわ。


 結婚式とパーティーは驚きの連続だったわ。参列者の顔ぶれを見るととても場違いな感じがしたのだけど、頑張ってジェニファーとの思い出を話したわ。ジェニファーは泣きながら笑ってくれた。

 参列者の方達もかなり身分の高そうな人もいたのだけど、かなり親しくしてくれてとても楽しかったわ。終わった後で参加した人達の肩書きを聞いて正直気を失いそうになってしまったのよね。どうやらあまり詳しく言うと遠慮してしまいそうだったと言うことで教えてくれなかったみたいなのよね。

 メイサンなんかお酒を一緒に飲み交わしていた人がまさかハクセンの貴族様やカサス商会の偉い人達とは思っていなかったみたいでどうしようとかなり焦っていたわ。だって、オカニウムに来たらうちの宿に泊めてやるからいつでもやってこいとか言っていたみたいなのよね。

 あとでジェニファーに相談したら、そのあたりは気にしない人達だから大丈夫と言われて少し落ち着いていたけど、もし来たときはちゃんと泊めてやってくださいよと言われて顔を青くしていたのはちょっと面白かったわ。心配しなくてもうちなんかには来ないわよ。


 建国祭もやっぱりオカニウムとは比べものにならないくらいの規模だったわ。始めて国王陛下の姿を見たけど立派な方だった。そういえば式に参加していたクリスさんと呼ばれていた方は元王子殿下だったのよね。そんなに気安く呼んでいるジュンイチには驚きだわ。


 今回はちょっと無理してでもやってきて良かったわ。普通ではできないような経験がたくさんできたものね。この年になってこんなに色々新しい経験できるなんてなかなか無いと思うわ。



~マラルSide~

 ジェンからやっと結婚するという連絡が入って驚いたと同時にやっとなのねと思ってしまったことはアキラも同意していた。せっかくだから時間がかかっても行ってみようと言うことになり、アキラと計画を立てていたら、父も結婚式に参加するという話を聞いて驚いた。どうやらカサス商会のメンバーも結婚式に参加するみたいで、それと合わせて支店長会議を行うことになったようだ。

 せっかくなので一緒に行ってもかまわないと言われて正直助かったわ。やっぱり金額が結構な額になってくるからね。メイルミの宿の二人にも話をしたら一緒に行くことになったのよね。



 サクラについてからせっかくだから用意していると言って連れてこられたのは町でも高級な宿と言われるシルバーフローというところだった。私たちのために予約までしてくれていたらしい。

 良階位の冒険者になったし、カサス商会とも特別契約して報酬をもらっているという話は聞いていたけど、ほんとに立派になったんだね。他にも護衛でやってきた冒険者やメイルミの二人も一緒に泊まることになって驚いていた。



 このあとジェンから結婚式で手伝いをしてほしいと言われたけどもちろんすぐに承知したわ。何をするのかと思ったんだけど、最初にしたことは採寸だったので驚いた。結婚式ではジェンの結婚式衣装に合わせたものに着替えてほしいということみたい。

 最初はどういうことなのかわからなかったけど、やることを聞いていくうちにこんなことをやるんだと驚きとともに納得できた。かなりの大役なので頑張らないといけないわねとアキラと二人で話していた。

 用意してくれた衣装は正直このまま花嫁衣装になるんじゃないかと思うようなものだった。薄いピンクのドレスで、レースには細かな刺繍が施されていた。もちろんジェンが着る予定の服よりはランクは落ちるがそれでも十分なものだ。

 結婚式の後でその衣装をプレゼントされたときは正直驚いたわ。もし結婚するときはそのままこれを使うことができるわよね?



 結婚式の当日は私たちも着飾ってからジェンのサポートを行った。かなり緊張したけどとても誇らしい気持ちだったわ。結婚式のイベントはとても楽しいものだった。ファーストルックと言ってジュンイチさんに花嫁衣装を見せたときはかなり面白かったわ。ジュンイチさんが言葉を失っていたからね。でもジェンに手を出そうとしてのはだめよね。気持ちはわかるけどね。


 このあとの結婚式は聞いていたものとは全く違ったものだった。ブーケトスは残念ながらアキラにとられちゃったけど、代わりに小さなブーケをもらうことができた。私にも結婚相手は見つかるかなあ?


 パーティーもとても楽しいものだった。なかなかこういうパーティーなどは行うことはないんだけど、聞いていたのはスピーチや参列者の紹介など堅苦しいものというものだった。

 でも今回の結婚式は全く違っていた。ケーキカットにケーキバイトってお互いに支えあっていく決意みたいだけど、とてもうらやましかったわ。キャンドルサービスというのもとても神秘的で良かった。

 あと驚いたのは参列者に余興をやってもらうことなのよね。私たちもジェンに伴奏を弾いてもらって歌を披露したけど、かなり偉い人みたいな人がやった魔法がすごくうまかったわ。

 最後の方で一部は酒盛りになって馬鹿騒ぎになっていたけどね。なんかかなり貴重なお酒がいっぱい出てきたらしく、目の色を変えた人が結構いたのよね。

 そうそう、クリストフ元王子殿下がいたのにもかなり驚いたわ。しかも彼がジュンイチさんの親友と言っていることが信じられないくらいだわ。王子と親友ってどんなことがあったのかしら。


 結婚式の後はサクラのヤーマン建国祭まで楽しむことができてとても良かったわ。ホテルの料理も美味しかったし、部屋もとても素敵だった。もう一生の記念になるイベントだったわ。



~コーランSide~

 今回のジュンイチさんたちの結婚式はなかなかすごかった。事前に進行の打ち合わせで話を聞いたときから衝撃を受けていたのだけれど、実際の内容を見てこれは絶対に商売になると確信した。

 このような内容を専門に扱う部署を立ち上げて徐々に浸透させていけば十分な需要が出るのではないかと思う。もちろんこれだけの規模のパーティーをする需要はまだ少ないと思うが、小さなものでも需要はあるはずだ。

 今回私がやった司会についても結構なスキルが必要だし、事前に色々と打ち合わせも必要だ。それを助言するだけでも十分な需要が見込めるだろう。

 今回の結婚式ではせっかくだからと要所要所で撮影もさせてもらったのでそれを見せればイメージもしやすいだろう。



 しかし二人の交友関係には驚いた。クリストフ王爵のことは知っていたんだが、まさか他の国の貴族達にもここまでの伝ができていたとは・・・。アルモニアのジョニーファン様なんて会えるだけでもかなりの名誉と言われている人なのに、そんな人が結婚式に参列してさらに余興まで披露するなんてとんでもないことだ。他に参加していた支店長達も最初は目を疑っていたからな。

 さらにハクセンのラクマニア上位爵といえばハクセンでは5指に入る重鎮だ。それが家族で参加し、しかもその孫の二人が結婚式のイベントの手伝いをするなんて普通では考えられない。しかもラクマニア様本人が余興までやってくれるというのはおそらく他では見られないのではないだろうか?


 ジュンイチさんから言われていたように、今回の参列者のことは基本的に秘密にしなければならないし、結婚式中の売り込みは御法度ということで自重しなければならなかったのは残念だったが、カサス商会のことを簡単にでも紹介できただけでも十分価値があるだろう。

 それに式では簡単な挨拶もできたから十分だ。二人にはまず挨拶をすることすらできないからな。まさか一緒に酒を酌み交わすことまでできるとは思わなかった。しかし、あのお酒は美味しかったな。



 結婚式の後の支店長会議でもかなり話が盛り上がった。参加できなかった支店長はちょっと悔しがっていたが、それはしょうが無いだろう。


 支店長会議の後、二人との打ち合わせも行って、今後の方針も色々と決めることができた。特許料についての見直しや魔道具の価格についても良い条件で見直しができた。

 インスタントラーメンはもう少しで特許期間が終わってしまうので他の参入が行われるのはわかっているが、かなりの地位を得られているのでまだしばらくは安泰だろう。調理道具などについても価格は安いがかなりの人気具合だ。

 重量軽減バッグについては完全に独占状態となったのでまだ十分な利益は得られるだろう。これは他の魔道具の売り上げにもかなり貢献しているのでありがたい商品だ。

 また今回の結婚式のことについても許可がもらえたのは大きい。この分野もまだ誰も手をつけていないことなので先行すればかなりの利益を得ることが期待できる。クリストフ王爵とも提携してやってみるのもいいかもしれないな。


 ほんとにジュンイチさんに知り合えてよかった。あのとき声をかけられていなかったら、もしジュンイチさんを利用しようと考えてしまっていたらおそらくここまでの関係は築けなかっただろう。今の関係を築けたことに感謝しなければならないな。



~クリストフ王爵Side~

 今回のジュンイチ達の結婚式は楽しかった。結婚式や披露パーティーというのは儀式という面が多く、結婚するということはうれしいが、それほど楽しいというイベントではなかったんだが、それとは全く違っていた。


 結婚式にもいろいろなイベントがあり、見ている私たちも楽しませてくれた。披露パーティーについてはさらに驚いた。主賓の二人が皆を楽しませるようにしており、さらに参列者も余興をすることで楽しませるということはすごい発想だったな。


 スレイン達も「私たちもこんな感じでやりたかったなあ・・・」と言っていたくらいだからね。まあ反対意見を言う人もいるかもしれないけど、おそらくこのような結婚式は今後増えていくような気もする。カサス商会のメンバーが参加していたからね。

 ただその場合の披露宴会場とか料理の提供についてはカサス商会と手を組むのは一つかもしれないな。今度時間を作って話をしてみるかな。おそらくもう動いているはずだろうからね。



 デルタは結婚式で出てきたお酒に目を輝かせていたな。今まで飲んでみたかったと思っていたお酒がかなり出てきていたらしいからね。最後はあのジョニーファン様やラクマニア様ともお酌しあって飲んでいたことを後で話すと青ざめていたのはおかしかった。

 でもあの二人も全く気にしない感じで楽しんでいたのは驚きだ。とても聞いていた人物像とは違っていたからね。まああくまで私的なパーティーだったのでこのことを他で話すことは無粋というものだろう。



~ラクマニアSide~

 今回の結婚式は初めて見る体験だった。今までの結婚式とは堅苦しいものばかりだったんだが、今回はほんとうに楽しかった。


 孫二人の着飾った姿はほんとにかわいかったな。最初に二人にお願いがあると聞いたときは何をやらせるのかと思ってしまったぞ。二人はかなり緊張していたが、それでも後で聞いたときにはこんな大役を任せてもらって良かったと喜んでいた。着ていた服をもらえるとわかったときはかなりうれしそうにしていたからな。



 披露宴の余興も良かったな。ファンのやつがあんなことをやるから対抗してこっそりとやっていた魔法のショーを披露することになってしまったではないか。まあ見ていた人達からもかなり好評だったからやった甲斐はあったがな。

 出されたお酒も美味しかった。私でもなかなか手に入れられないお酒をあれだけ用意するというのもすごいことだ。お酒好きのルイアニアのやつもかなり興奮していたからな。

 やつも平民とこんな感じで酒を酌み交わすなんて初めての経験だっただろう。「オカニウムに来たらうちに泊まりに来いよ。」と誘われましたよとおかしそうに言っていたからな。


 肩書きを忘れてこんなに楽しめたのは久しぶりだな。昔ファンとはいつもこんな感じだったが、これだけハメを外して楽しめたのはもしかしたら学生時代以来かもしれないな。



~風の翼・フェルマーSide~

 今回ジュンイチが結婚するという話を聞いてどうするか悩んでいたところでコーランさんから護衛依頼が入ってきた。護衛があるならやはり結婚式は無理かなと思っていたんだが、なんとオカニウムからサクラまでの護衛依頼だった。どうやら俺たちも結婚式に参加するか悩んでいるみたいだったので護衛を依頼してきたようだ。一緒に引退したクラーエルの二人にも声がかかったようだ。


 もちろん断る理由もないので大急ぎで準備をしてオカニウムに護衛で移動した。このあとすぐに準備をしてオカニウムを出発し、アーマトでクラーエルの二人も合流してからサクラに向かった。



 今回の宿はジュンイチ達が準備してくれた宿に泊まることになったんだが、たまに贅沢しようというときに泊まるところで驚いた。


 結婚式に出て驚いたのは参加メンバーだ。憧れの優階位の冒険者である王家の剣のメンバーがいたのである。どうやら護衛を兼ねているという話だったんだが、他にも優階位のレベルと思われる人達もかなりいた。

 どうもアルモニアとハクセンでもかなり重要な人物らしく、護衛の人達を見たときにはこれはかなわないと思ってしまう感じだった。


 しかも建物の中は兵士が護衛についているし、建物の周りには良階位レベルの冒険者が護衛をしていたことにも驚いた。正直なところかなり場違い感を受けてしまったが、クラーエルの二人と一緒に割り切ることにした。


 式やパーティーはとても楽しかった。王家の剣のメンバーの剣舞はすごかったし、魔法を使ったショーもかなり見応えがあった。結婚式ってこんなんだったか?という印象を受けたが、周りに聞いてもこんなのは初めて見ると言っていた。どうやらジュンイチ達が考えた内容らしい。


 さすがにここまでは無理だけど、こんな感じの結婚式やパーティーならやってきた人も楽しめるかもしれないな。今度相談してみよう。そう思っていると他の二人も同じことを考えていたらしい。



~クーラストSide~

 ジュンイチから結婚の話を聞いて驚いた。結婚を祝ってあげたい気持ちはあるんだが、やはり費用の問題が・・・。そう思っていると、なぜか役場から連絡が入ったのでアマニエルと二人で行ってみることにした。

 話を聞くと、どうも護衛依頼が入ったようだ。カサス商会と言うことを聞いてどういうことかと思っていると、風の翼のフェルマーがやってきて説明してくれた。どうやらカサス商会の支店長達も結婚式に出るらしく、一緒に行くなら護衛としてついてこないかと言うことだった。願ってもないことだったのですぐに了承する。

 風の翼がオカニウムから戻ってくるのを待って一緒にサクラを目指すことになった。嫁さんにはサクラのお土産を買って帰らないといけないな。


 結婚式は正直驚きの連続だった。俺たちもこんな結婚式をすれば良かったと思ってしまったのは内緒だ。結婚式をする人も、参列者も楽しい結婚式というのはいいものだな。

 ジュンイチとジェニファーもとても幸せそうだった。二人には治療をしてもらった恩もあるし、ちゃんとお祝いを言えて良かったよ。


 式の後はサクラの観光をしていろいろとお土産も買っていくことができた。これで埋め合わせにはならないかもしれないけど、ジュンイチ達の幸せそうな話をするだけでも納得してくれるだろう。



~デイストリフSide~

 北の遺跡の調査の後、ジョニーファン様に何度か調査結果の報告にいった。今回の調査結果にはかなり興味を引かれており、以前ジュンイチさんたちからの報告書と合わせて色々と議論を行っていた。ジョニーファン様とこれだけ色々と話ができるというのはとても名誉なことだったわ。


 ある日突然、今度ヤーマン国の建国祭に行くので護衛についてきてくれと言われて驚いた。ジョニーファン様が?国外へ?

 もともと行く予定ではなかったんだけど、反対する理由もないためすぐに行くことが決定した。まあジョニーファン様の言うことを反対できる人がそもそもそんなにいないからね。移動中も調査結果の話をしたいと言うことで3人が護衛につくこととなったようである。



 飛行艇なので思ったよりも早く到着できたのだけど、なぜかサクラに到着すると、王宮に行く前に別行動をすると言って出て行かれてしまった。慌てて追いかけると、認識阻害の魔道具を使って何やら小さなアパートへと入って行った。

 そして部屋の前に立ってノックをすると、中から見たことがある顔が現れた。前に遺跡の調査でやってきたジュンイチだった。かなり驚いていたが、周りの目を気にしたのかすぐに部屋に入れてくれた。


 どうやら今回この二人が結婚することになったらしく、その結婚式に参加することが本当の目的だったようだ。さすがにジョニーファン様と数日にわたり話をしただけのことはあるわね。あのあとでジョニーファン様から話を聞いたときは驚いたものだわ。



 結婚式ではなんとジョニーファン様が余興と言って魔法を見せていた。正直かなり驚いたわ。こんな姿はおそらく私たち以外誰も見たことがないのではないかな?そして長年のライバルであり同士であると言われていたハクセンのラクマニア様までが同じように余興をやっていたのにはさらに驚いた。

 このパーティーでは正直身分や立場なんてものはなく皆が平等に楽しんでいた。こんな空間を作る二人はどれだけすごいのだろう?



~ラクマニア護衛Side~

 正直言って何が起きたのか分からなかった。目の前のラクマニア様は本物なのだろうか?もう一人一緒に参加した護衛も驚いて固まっている。

 確かに好々爺なラクマニア様は見たことがある。しかし、それ以外では近寄り難い雰囲気を身に纏っているのが普通だ。


 目の前にいるのは余興を披露し、ただの平民と思われる者たちとも一緒になってお酒を酌み交わし、今回結婚する二人の話をしている。平民にも偏見なく対応することは知っているが、このような姿は初めてだ。


 パーティの後で今回のことは他言無用で頼むと言われたが言っても誰も信じないだろう。そもそも名誉爵位はあるとはいえ、他国の一平民の結婚式に出たと言う時点で「そんなことがあるわけがない」と笑われてしまうよな。


 食事はさせてもらったが、残念ながら護衛のこともあるのでお酒は飲めなかった。ただ式の後で、これは非番の時に飲んで下さいとお酒をもらうことができてとてもうれしかった。しかももらったお酒はなかなか手に入らないレベルのものだった。



~あとがき~

しばらく更新頻度が下がってしまいそうです。あまり執筆時間がとれなくなることもあるのですが、一番の要因はデータ消去というトラブルがあってしまったためです。かなりのショックでモチベーションまで下がってしまっている状態です。詳細は近況にも書いています。

楽しみにされている方(がいると信じて・・・)には申し訳ありませんが、中途半端な状態でのアップは行いたくないため、更新頻度を下げて対応したいと思っています。完結まで書くという意思はあるのでご理解をお願いいたします。

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