119. 異世界545日目 町を後にする
狩りをしながら結局ここに1ヶ月近く滞在することとなった。雨で狩りができないときも魔法の訓練や付与魔法などに費やして結構能力は上がったと思っている。いくつかスキルも上がっているので頑張った甲斐があるというものだ。ただやっぱり4にはなかなか上がらない・・・。
ミルファーさんとスイートさんも大分町になじんできたようで、いろいろと知り合いも増えてきているようだ。その中の数名はどう考えても彼女たちを狙っているみたいで、自分を見るとちょっといやな顔をされてしまう。いや、そういう関係じゃないからと声を大にして言いたい。
明日出発することにしたので、今日は最後にミルファーさんとスイートさんと一緒に食事に行くことにした。家で料理をという話もあったんだが、仕事もあるので外で食べることにしたのである。
「「「「それでは、かんぱ~い!!」」」」
自分はジュースなんだが、他の3人はアルコールを飲んでいる。ジェンは大丈夫かな?いつも飲み過ぎているからなあ。
「長い間ありがとうございました。仕事も見つかりましたし、住むところもいいところを紹介してもらえましたし、ほんとに感謝しきれないことばかりです。」
「ほんと、そうだよね。一時はどうなるかと思ったけど、ジュンイチさんたちの誘いに乗って出てきてよかったよ。」
「そう言ってもらえてよかったですよ。誘った手前、ひどいところだったらどうしようかと思っていましたからね。」
「明日には出発なんですね。さみしくなります。」
「まあもともと冒険者としていろいろなところを見て回りたいと思っていましたからね。すぐには無理だと思いますけど、またやってくることもあると思うので、そのときはまた料理を食べさせてください。」
「「もちろんです!」」
「そのときにはちゃんとした関係になっているといいですね。」
ブハッ!
「ジェン、何やってるんだよ。」
「いえ、大丈夫よ。・・・ミルファーさん!!」
「ごめんなさい。だけど、私たちの気持ちはそうですからね。」
「?なんの話だ?」
「「「なんでもない、なんでもない。」」」
このあとも食事を楽しみながら色々と話をして宿に戻る。明日出発なんだが、特に準備することもないので気が楽だ。
翌朝ミルファーさんとスイートさんが見送りに来てくれた。しかもかなりいっぱいのお弁当を準備してくれていた。
「収納バッグがあるから大丈夫でしょ。いろいろとこっちの料理を作っておきましたので気が向いたときに食べてみてくださいね。」
「ありがとうございます。助かります。」
「いろいろとありがとうございます。元気でね!」
二人に見送られて町を後にする。いろいろあったけど、二人には幸せになってもらいたいものだ。
~ミルファーSide~
いろんなことがありましたが、今はこの町に来てよかったと思っています。あのままあの町にいたら死を選んでいたと思います。
いろいろと働くところを受けてみたましたが、ほとんどのお店が雇ってくれると言っていただけてとてもうれしかったです。いろいろと比べたところ、一番条件の良さそうなカサス商会で働くことになりました。
店長自らいろいろと世話をしてくれましたので不思議に思っていましたが、どうやらジュンイチさんたちのおかげみたいでした。詳しくはわかりませんでしたが、やっぱり不思議な人たちですね。
働き出すと色々とあるので毎日ではないですけど夕食も一緒に食べたときはいろいろと話せて楽しく過ごせました。時々いろいろな食材も持ってきてもらえるのもとてもありがたいのですが、かなり高級な肉も持ってきていただけるので驚いてしまいました。狩りをしているからこそなのでしょうけどね。
あの二人もちゃんと付き合えるのかが心配です。問題はジュンイチさんの方なのよね。もう少し周りを見てほしいというか、もう少し自分に自信を持ってほしいものです。なんであそこまで自分のことに自信が無いのかがわかりません。
~スイートSide~
この町に来てほんとに正解だった。町の人はもちろん癖がある人もいるけど、気のいい人が多い。新しい町なので閉塞感もなく、初めての人でも優しく迎え入れてくれる雰囲気だ。前に住んでいたところとは大違いだな。
男性がちょっと怖かったんだけど、この町に来てから大分改善できたみたい。ミルファーったら彼氏のような人を見つけたみたいで時々デートしているみたいなのよね。ちょっと聞いてみたらごまかしていたけどね。私も新しい恋に出会えるかなあ?いまはまだいいけどね。
あの二人が結婚することになったら絶対にお祝いに行かないといけないわね。結婚式に呼んでくれるのは無理かもしれないけど、あの性格だから手紙くらいはくれると思うわ。
そのためにもちゃんと貯金はしておかないといけないわね。まあジュンイチさんの性格を考えても結婚となるのは早くても1年以上はかかりそうだけどね。ジェニファーさんはジュンイチさんしか相手にしないだろうし、いずれ落ちるのは間違いないだろうね。ふふふ。
まあ、あれで付き合っていないというのがそもそもおかしいんだけどね。
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