第9話拷問からの脱出3日目
俺は左腕の痛みで眠れなかった。体が重い。かなりの血液が体外に出たからだ。
体が寒い、血を失い過ぎた。
夜になって、リリーが来た。いつもの様に何人かの奴隷に拷問を加えると俺の順番になった。
「どう? 怪我の調子は?」
「いい訳無いだろう。痛みで眠る事もできない」
俺は弱々しい声で言った。
「あら、本当あなた素敵! 普通、この位で命乞いするものなのに! あなた優秀よ。今日は、特別なやつをしてあげるわ」
「ふ、ふざけるな!」
それでも、俺の声は弱々しいものだった。
リリーは最初拷問をしなかった。
束縛されている俺の衣服をはぎ取ると、俺の身体中にキスをしてきた。
そして、自分も衣服を脱ぎ捨て、裸になった。
「な、何を」
「いい事よ。あなたにとって、ご褒美よ」
リリーは胸や股間を俺に押し付けてきた。昂った俺はあえなく反応した。
リリーは昨日と同じ様に俺を蹂躙した。
そして、快感がひたひたとやってきた。
だが、彼女が俺の顔を手で抱えると、俺は恐怖した。
彼女は笑っていた。この笑顔は彼女が人を害する時のものだ。
「ぎゃああああああああああああああああああああああ」
俺の叫び声が牢獄に響く。
リリーは突然、俺の目に指を突っ込んで、目玉を抉り出した。
俺は束縛されていて逃げる事はできなかった。
リリーは俺の右の目玉を指で摘んで、俺の目にキスをしていた。
そして唇で俺の目玉を舐めあげる。
淫猥な様子だった。そして、リリーの動きが早くなって、俺はまた、果ててしまった。
その時!
『ベシャ』
リリーは俺の左目の目の前で、俺の右目を握り潰した。
「ああああああああああああああああああああああああ」
俺は激しい叫び声をあげた。痛みと激しい憎悪、屈辱感、汚い感情の全てが俺に舞い降りた。
「いい、叫び声」
リリーは満足したのか、衣服を身に着けると、俺の衣服も整え、牢獄を出て行った。
☆☆☆
リリーが帰ったあと、俺は最後の力を振り絞って、ステータスウインドウを開いた。
『タレント』
「虚数魔法使い」 Lv3
『ジョブ』
「戦士」Lv10
『習得魔法』
「従者契約」「ディスペル」「ダムド」
「ダムド」? 聞いた事の無い魔法だ。だが、これがもし攻撃魔法なら?
俺は期待とリリーへの復讐に心を預けようとしたが、それは叶わなかった。
血を失い過ぎたのか、気を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます