Track.6-3「楽しくて楽しくて堪りません」
「それでは実際の配置・運用についての説明を、石動支部長にお願いする」
「はい」
会議は中核に入り、全員が机の上の資料を捲る。
「今回の依頼者はリーフ・アンド・ウッド合同会社、先方担当者は業務部長の煤島様です。依頼内容は
「資料4から5
4
<一期生>
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
<二期生>
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
●
担当……日)
<統括>
日勤)
夜勤)
<オペレーターチーム>
日勤)
夜勤)
「配置の兼ね合い上、他チームとの競合は避けられません。また、先月に新しい調査チーム
新設されたばかりのFLOWを除き、チームWOLFとFOWLには
彼らは例えば
「FLOWチームに
<調査チーム再編>
執行日:2020年11月16日より
WOLF
大神太雅、木場朱華乃、乾九郎、アドルフ・ヴォルフ
WOLF-2nd
大神景、楢手緋百合、鹿田真魚、植野偉成
WOLF-3rd
矢崎天馬、竹飯燃斗、田能火群、小松田雷吏
WOLF-4th
※再編に伴い解体
FOWL
糸迫右京、錫方弥都、刃詩遊子、加瀬霧生
FOWL-2nd
西守魁二、浦形衛鵡、鴨寝彩璃、弓伴すず
FOWL-3rd
臥雁世陣、壬生葉月歩、可賀湧水、紐足ルカ
FLOW
四方月航、森瀬芽衣、安芸茜、鹿取心
FLOW-2nd ※新設
海崎冴玖、海崎澪冴、灘茉莉、灘直雄
「チームが変わったことによる兵装の交換については各々の裁量に任せます。本来であればWOLFがFOWLの兵装を用いるのは規定違反ですが、今回の依頼に限り許可します。勿論FLOWチームは新設ですので、まだ装備は無いかも知れませんし――」
「支部長、そのことで少しいいですか?」
航が手を上げ、森造は上層役員に目を配る。この場で司会進行を務める警護部長の倖田が頷いたのを確認すると、森造は航に発言を促した。
「ありがとうございます。新設であったチームFLOWですが、前回の
「――その、新兵装とはどのようなものかね?」
航の言葉に興味を覚えた常務・和泉が組んでいた腕を解き、前傾姿勢になって訊ねる。航はニヤリと笑う――と、いうのも、和泉はこのクローマーク社の創設者の一人だ。現在の立ち位置は違うが、和泉と航とは古き顔なじみなのだ。
「いえ――それは見ての、お楽しみということで」
航のその言葉に、和泉の両隣で呆気に取られているのは佐渡島と倖田だ。当の和泉はくつくつと笑いを堪えていたが、やがて前のめりになっていた身体を反らし背もたれに乗せ、大声を上げて笑い出す。
その声量に、会議室内は何とも形容しがたい空気に包まれた。
「はっはっはっ――航、お前はそれだから出世せんのだ」
「お言葉ですが常務、私は今の立ち位置で満足しています。まだ若造ですし」
「そうか、管理職より現場勤務の方が
「ええ、楽しくて楽しくて堪りません」
「――そうだな、それでこそ
再び前傾姿勢に戻った和泉は、ニヤリとした笑みを深めた。
最優先でご覧に入れます、と締めた航は閉口し、苦笑しながら森造は資料の説明を再開した。
そんな遣り取りを集中して見ていた芽衣は、そう言えばこんな人だったなぁと、航の横顔を横目で眺める。
冷たく鋭い、戦士や武人としての一面。
真面目で真摯な、大人としての一面。
しかし。
子供のように笑ったり怒ったりする、感情のままに生を謳歌するその一面こそが、きっと四方月航の本来の姿なのだろうと。
芽衣はそう思いながら、初めて共に戦ったあの飯田橋の異界攻略を思い返していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます