第387話 血の誓約
「鴉狼一夜、これは戦闘場所を強制的に夜にしてそこに鴉と狼を大量に召喚するスキルですね。もちろんその鴉と狼は中にいる敵を食い殺します。しれっと渡してますけどしっかり強いスキルですね。おまけで渡していいスキルじゃないですよこれは……」
まあ、確かにそうだな。でも、彼の力を考えると本当におまけに見えなくもないのがまた、、、こういう時は話題を変えるのが得策だな。
「そういえば隠しジョブの件はどうなったんだ? あれからまた見つかったのか?」
実の所、あまり期待はしていないプロジェクトだ。でもそれこそおまけでも彼を脅かす存在になってくれればいいと思ってる。
まあ、隠しジョブプレイヤーの登場によってプレイヤー全体の強さが平均的に上がっている、というデータが出てくればいいんだろうが、まだ、結果が出るのは先になりそうだ。
「あ、それ聞いちゃいます? 私もちょうど言いたかった所なんですよ!」
あ、なんだかまずい予感がするな。猛烈に今聞いたことを後悔している自分がいる。彼女がウキウキしている時って本当に良いことが起きた試しがない。
「今回また新たな隠しジョブが見つかりました。その職業の名もダークブラッドです!」
ダークブラッド? 彼女がこんなゴリゴリに厨二感満載の職業を出してくるとは……私の反応を伺うためだろうか? だが、私は名前で判断するような、そんなヤワな男ではないぞ、しっかりと中身で判断させてもらおうじゃないか。
「このダークブラッドはいわば吸血鬼のような職業ですね。人間が吸血鬼に転生するのはハードルが高いと思われるのでいい塩梅に中間地点になっていると思います。そして何より気になるのはそう、取得条件ですが、これは珍しく条件性となっております!」
条件性、か。条件をクリアすれば誰でも取得できるがその分難しいというやつだな。普通のクエストクリア型と違ってよりプレイヤースキルが求められると言ってもいいだろう。そんな職業がゲットされてしまっては今度こそ不味いのだろうか? 取得条件よりもそっちの方が気になるんだが。
「吸血鬼と言ったがそれは具体的にどんな効果なんだ?」
「そう慌てずに! じゃあ先にそちらから説明しますね。まずはなんと言っても暗視と吸血ですね! ダークブラッドというくらいですからこの二つはマストでしょう!」
おいおい、その言い草からすると名前が先に決まって後から効果を付け足している印象がするんだが、違うよな? ちゃんとゲームバランスと打倒彼のことを考えていい具合に作ったんだよな? そうだよな?
「そしてそれだけではもちろん弱すぎるので、血液魔法、
おいおい今度はなんだ? セット売りか? パソコンの既製品と自作の違いみたいな感じか? ん、でもそうなるとどう考えても自作PCの方に軍配が上がるんだが……
そこで数を用意するんだな。流石にどれだけ高性能な自作PCでも百機の既製品には勝てないだろう。ん、でもこの理論でも彼には勝てないきがするのはなぜだ??
「血液魔法は、自分の血を媒体にして相手に魔法をかけるというものですね、使い方によっては凝固させて物理攻撃、なんてこともできます! 昏い血はダメージを受けた際にその幾らかを相手にお返しするという技ですね。割合は使っていけばいくほど上昇して、最大……これは秘密にしておいた方が面白そうですね」
ふむ、これだけ聞くとなかなか強そうではないか。血液魔法は液体と固体のどちらにもなれる性質を上手く扱えれば面白そうなことができそうだ。
「そしてラストの吸魂なんですが、これは誰かさんみたいに自由に扱えるものではなくてですね、自分の血を使って相手を倒した時に与えたダメージの何割かを自分の回復に当てることができるんです! だから上手く使えば永久機関の完成ですね!」
ふむ、これは過去最高で期待ができるかもしれない。いや、今までもそれなりに結構強かったのだが、今回は少し格が違うような気がする。使いやすさ、対応幅が広いように思えるのだ。まあ、何が上手くいくかは上手くいくまでわからないんだがな。
だがこうなってくると使い手が気になるな。どんな人がゲットしたんだろうか。
「そういえば誰が獲得したんだ?」
「あ、取得条件と一緒に言おうと思ってたので忘れてましたね。取得条件は暗闇の中でモンスターを回復せずに百匹以上連続で倒すことで、そのプレイヤーはなんと、HP、VIT極振りのゴリゴリ耐久タンクです!」
「へ?」
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無事かけて良かった〜
最近ウェブ小説熱が再燃してきそうなので、カクヨムで《今》おすすめの作品あったら教えてくださいませ!なかったらなろうでも!
でもカクヨムはスマホでも読めるからそっちの方がいいんだよなー(べ、別に媚びてない
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