第32話《社会人.就職②》〈大切な人との別れ〉

働く上で


分からない事を分からないままにして

何も教えを請わない

という事の愚かさを


自分の方に非があるのは

重々 分かっている


その当時は

理解できなかったけれど


スイミングスクールのコーチ

という仕事は

大切なお子様をお預かりし

命を守り怪我をさせない

という事も

大切なコーチの仕事と思うのです


いくらマニュアルが

あったとしても

しっかりと

言葉で伝えてほしかった


指導の仕方も

補助について

2.3回見て覚えて

次から独り立ち

というような形で…


段々と

自分が追い詰められていくのが分かった


いくら子供が好きでも

子供の成長を見守る事の出来る

やりがいのある仕事でも


怖かった…


なんとか出社したは良いけど

昼休みになると

他のコーチと

同じ空間にいるのが

苦しくて


トイレに 籠る日々が増えていった


そんな時


その年の冬

年末に母方の祖母


翌年の冬には

父方の従姉が

病に倒れ亡くなった


祖母が亡くなった後に


だましだまし

半年くらいは仕事をしていたが


心が痛くて壊れそうで

限界で


ついに退職してしまった


そんな時

従姉が亡くなって


彼女に


『もう少し自分の思っている事を

相手に伝えて

人ともっと仲良くしなければだめだよ』


数日後に亡くなった従姉


とても大切な

大きなメッセージを

遺言として残してくれた従姉


まだ幼い子供達を

二人残して亡くなった従姉


高校受験を失敗した時に

手紙をくれた

優しかった

祖母の為

もう一度頑張りたいと


私を苦しめた人と

同じ

人を

いじめる事で


〈人に優しくする〉

人として当たり前の心を

二度と持てなくなった

可哀想な人達と

一緒になりたくないと


新たに


介護の仕事に就く事を決心

専門学校に2年通い


介護福祉士になった…





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