第43話

 


「え・・・?ええええええええええええーーーーーーーーーー!!!!?なにっ!?なになになに!?なんでーーーーっ!!!」


「きゃっ・・・。誰っ!?貴女誰なのぉ~~~~~~~~~!!?」


「あ、あははは・・・。」


「・・・う~ん。うるさいわねぇ。」


オレの願いも虚しく、部屋のドアはマコトの手によって思いっきり開け放たれた。


途端に上がるマコトと高城さんの悲鳴。


二人の絶叫が部屋の中に響き渡ったおかげで、美琴姉さんの意識が若干覚醒をする。


「誰よ!貴女誰なの!?私の優斗になんてことを!?」


「美琴さんっ!?美琴さんなんで優斗と一緒に寝てるの!?」


高城さんが寝ぼけてベッドから起き上がりかけている美琴姉さんに食って掛かる。


マコトも一緒だ。


「んんー。うるさいわねぇ。静かにしなきゃだめでしょ。もう。」


まだ寝ぼけているのか、美琴姉さんは右手で右目を擦りながらそう言った。


「美琴姉さん!マコトたちが来たんだよ。」


「んー。マコトちゃん~?おはよー。」


「・・・だめだこりゃ。」


美琴姉さんったら完全に寝ぼけている。


「ねえ。優斗どういうことなの?」


「なんで美琴さんがいるの?」


美琴姉さんが寝ぼけているから、マコトと高城さんは美琴姉さんではなくオレに詰め寄ってきた。


二人とも目が据わっている。


「いや・・・あの・・・。」


二人に詰め寄られてオレはしどろもどろになってしまう。


「うふふ。やっぱり優斗ってばモッテモテじゃないの。お姉ちゃんに嘘をついちゃいけません。」


わたわたと困っていると、後ろから美琴姉さんの手がオレの首に回された。


そして、ふんわりと抱きしめられる。


背中に美琴姉さんの胸が当たる。


この柔らかい感触はもしかして美琴姉さん下着をつけていない・・・?


オレは顔に熱が集まるのを感じた。


「なに優斗ってば顔真っ赤にしてるのっ!?美琴さん!離れて!優斗から離れてっ!!」


「ふ、不潔ですわっ!」


 顔を赤くするオレに素早くマコトと高城さんが反応する。


うう・・・。


オレだって顔を赤くしたいわけじゃないけど、自然現象なんだよ。


とめられないんだよ。


「あらぁ~。マコトちゃんったら可愛い。高城さんだっけ?あなたもかわいいわね。でもね、優斗はあげないわよ。」


「み、美琴姉さんっ!?」


「み、美琴さんっ!?な、なに言っちゃってるんですかっ!?」


「なっ・・・なっ・・・!?」


美琴姉さんはさらに全身でオレにひっついてきた。


そうして、マコトたちに向かって「優斗はあげない。」発言だ。


美琴姉さんはなにがしたいんだろうか。


マコトたちだって困惑しているじゃないか。


そうだよね。


オレなんか欲しくないだろうに、それをあげないって発言は意味がわからないよね。


というか、背中にあたる美琴姉さんの柔らかな胸の感触がオレの思考をうばっていきそうなんだけど・・・。


「さて・・・と。ゲームするんじゃなかったの?」


美琴姉さんはあわてふためくオレたちを見て満足したのか、やっとオレから離れてくれた。


そうして、オレたちの顔をみて「ゲームをするんじゃないのか?」と言った。


確かにゲームするためにオレの家に集まったけど、美琴姉さんの寝起きで邪魔されてたんだよ。


っていうか、オレたちを混乱させてたってことに美琴姉さんは気づかないのだろうか。


それとも、ただからかってみただけなんだろうか・・・?


 「み、美琴さんっ!もう!優斗で遊ばないでくださいっ!!」


マコトなんて美琴姉さんに向かってキャンキャン吠えている。


そう言えば昔から三人で遊ぶと、マコトが美琴姉さんに向かってキャンキャン吠えてたっけ?


「ほら、優斗もせっかく可愛い女の子が二人も来てくれたんだから、さっさとベッドから降りて着替えなさい。」


そう言って美琴姉さんはオレの背中を押してベッドから降ろそうとする。


オレはそれに素直に従った。


「美琴姉さん。今日、マコトたちが来るって知ってたからオレと一緒に寝ようなんて言ってたの?最初からこれが目的だったの?」


「ふふ。私も着替えてくるわね。キャッティーニャオンラインをプレイするのでしょう?私もまぜてちょうだいね。」


美琴姉さんはオレの問いかけには答えずに、ベッドから艶かしい動作でゆったりと降りるとオレの部屋から出ていった。







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短くてすみません。本日は夜にもまた更新させていただく予定です。

よろしくお願いいたします。


 


 


 


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