第13話 女の子を自室に招き入れたら、何故か性癖暴露された件について
結局抵抗することもろくに出来ず、女性達を男の花園への侵入を許すことになってしまった。
僕の部屋はそこまで広くはない。六畳の部屋にベッドと勉強机、テレビモニター、本棚を設置してあるので空いているスペースは大して残らない。
「アタシ、ベッドもーらい!」
四条は部屋に入ると一目散にベッドを占領した。
いや、もーらいじゃないが。
あまつさえ、ベッドの上で跳ねるんじゃない。やりたい放題だな、おい。
まぁ、その跳ねてるときに四条様の素晴らしいエベレストもブルンブルンと揺れてたから不問とするけどさ。
「北原君、クッションを借りていいかしら?」
「あぁ、うん。幼女ちゃんもそこら辺にあるクッション使っていいから好きに座ってね」
斎藤と幼女ちゃんは部屋においてあるクッションを拾い座った。
こういう時、座り方に性格って出るよね。斎藤は背筋を真っ直ぐと伸ばして綺麗な正座。幼女ちゃんは女の子らしく正座を崩して地面に太ももがつくような女の子座り。
「あら? 異星の御客? 貴方こういうのも読むのね」
斎藤は本棚に見知っているタイトルを見つけたのか、少し驚いたように呟いた。
「あぁそれね。たまにはそういうの挟んだほうがアニメとかラノベを楽しめるんだよ。アイス食べたらラーメン食べたくなる的な」
「その例えは如何なものかしら。でもその言い方で
も少し納得してしまうところが腹立たしいわね……」
異星の御客はちょっと昔に話題になった硬派SF小説だ。ネットで評判だったので買って読んでみたが中々に面白かった記憶がある。
まぁ、でもたまに読むぐらいでいいや。僕にはラノベを読んでる方が性にあっているし。
てか、変なもの置いてなかったよね?
本棚の話題になったら急に不安になってきた。
いや、やべーのは全部PCに入れてあるはず。そしてPCはパスワードで保護しているし、データを格納している場所もカモフラージュしてある。
問題ないな、うん。
ちなみにやべーのとは青春の
「北原って意外に部屋を綺麗にしてんのねー」
四条は何か面白いものを探してキョロキョロと僕の部屋を見回している。
やめろ。オタクの部屋を見回すな。きわどいラノベの表紙とか見られたら誤解されちゃうじゃん。
「あっ、この本とか女の子の絵がやらしーぃ」
ほら、こういうこと言い始めるじゃん。
いや、それラノベなら普通だから。
確かに四条が手に取ったライトノベルの絵は衣服がかなりはだけている。ていうか肌面積のほうが多い。
しかし、内容はいたって健全だし、重厚な設定から作られた物語は世間からも称賛されている。
だから健全も健全。何もやましいことなどないのだ。
むしろある程度女の子が脱がないと売れないから必然なんだよ、こういうのは。仕方ないそういう世界だからね。
「あんまり変な探そうとしてないでよ。ていうかその本も健全な奴だから。R指定かかってないから」
『ふむ、まぁ確かにこの本に書いてある女性は彼の好みから離れているようだね』
えっ
このドローンいきなり何言い出してるの?
『ちなみに彼は黒髪ロングツインテールの巨乳が好きらしいね』
「えっ ちょ!」
ちょっと待てやああああああ!!!!!
なんで君がその極秘事項知ってんだああああああ!?
『ははっ、趣味のハッキングで少々ね?』
なにそれこわい。
自宅警備員氏は悪びれる様子すらない。ドローンから話しているから表情など分からないが容易に想像できるのがまたムカつく。さぞニンマリとした表情を張り付けているだろう。ほんとこのドローンろくなことしないな。
ふざんけなバカヤロー!
「黒髪ロング……」
「ツインテール巨乳……」
斎藤と四条はポカンとした表情でお互いのある部分を見つめ合っている。
そのなんというか斎藤にも四条にもその特徴が少なからずあるのがまた困る。
斎藤も四条も責める事はなく、僕から目を背けるだけという反応がまた困る。
なんかこういうの心がフワッフワッするからやめてよね! ほんと!
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