125話 RANK5ボス登場!!!!

30分後



満足した直人は刀から手を離すと、顕現した刀がその場から消えた。


リズに向き直ると



「本当にありがとう!!

   この【斬魔刀】があれば!

   どんな相手でも!

     存分に戦える!!」


勝手に名前をつけた刀を大事そうに両手で抱えながら涙に濡れる瞳を潤ませて心底嬉しそうに言った。


「はい!全ての準備が整いました!

    満を持してボス攻略に臨めます!」


5万の平均ステータスを持つボスに対して直人は戦闘時には平均8万を超えるステータスに頑丈さに特化した【魔刀】と様々な機能を備えた【魔装】



「よし!じゃぁ!早速!討伐、、」


【魔刀】を試したくてウズウズしてる直人は転移陣に急ぎ足で向かおうとしたが


「マスター!まだ朝食兼昼食が済んで

   いませんので、

   まずはお食事を済ませましょう」


リズに指摘され、お腹を意識した途端ぐぅ〜と腹の虫が鳴いた。


「あ、、そうだな、、確かに

   腹減ってましたわ

   ははは、、ご飯食べに行きます」



ちょっと照れ臭そうにお腹をさすりながら

高級食堂へ向かう直人

その後ろをニコニコしながら着いて行く

リズ。



朝食後はゆっくり休憩し、道具屋にて、

回復アイテムの最終確認をしながら

不足分を多少買ったりして


冒険者ギルドにてクエストを受注した。


冒険の間


ボス仕様フィールド入り口に来た。


「リズ!

 いつも通りにルームで待機してくれ」



「はい、今のマスターなら

   大丈夫です!御武運を!」


光の粒子となり直人の中に入るリズ


「ふぅぅぅ、、」


ラグジュアリースモークを吸い終わると吸殻を収納し、ゆっくり歩いて安全地帯を抜ける


4度目となる特攻部隊の猪の集団が向かってくる


【斬魔刀】を顕現させ魔力を通す


スムーズに魔力が馴染み輝きを増す


魔力の伝道効率が素晴らしく良い!


そのまま刀身を伸ばすイメージで魔力の量と質を高めて行くとあっさりと20メートルを超える長さまで到達した。


魔力消費も強度も【斬魔刀】無しの時とは比べものにならない位安定してる。



モンスターが数十メートルの目の前まで近づいて来た


ドドドドッッ!!


興奮する気持ちを抑え、刀身を元の長さまで戻すとモンスターに向かって一気に跳躍した。


ズドォォオン!



数十メートルを一度の跳躍で先頭モンスターの頭上数メートルの高さに到達すると


モンスターの頭上から無数の突きを放つ!


ほぼ同時にモンスター十数体の頭部に光の刃が貫通しモンスター達は地面に巨大を滑らせながら動きを止めた


周辺のモンスターを討伐すると再度跳躍し、モンスター達をあっという間に全滅させた。


「この【斬魔刀】のお陰でだいふ調整が

   楽になってるのは間違いないが、

  手応えがなさ過ぎて凄さが分からんな」


モンスターを回収しながら呟く


《そうですね、モンスターRANK5に

   対応出来る武器となってるので、

   RANK3、4では加減しないと

   オーバーキルしてしまいますから

   仕方ありませんね》


ルームに待機したまま念話で話すリズ


「そうだな、、よし、、次行こう!」

     

特攻部隊モンスターを回収した後

休む事なく親衛隊の場所まで駆けて行った



親衛隊との戦闘もアッサリ終わり


アイテムボックスに全て収納した後



ボスが出現するであろう場所に


【斬魔刀】の切っ先を向ける正眼の構えで呼吸を整えながら現れるのを静かに待つ



数分後


直人の場所から正面50m先に魔法陣が現れ、

魔法から天に向かい膨大な魔力を帯びた光が立ち昇った。



(なんだ!?もうボスよりステータス上は

  はるかに高い筈なのに、、、

  この気配と殺気から感じる強さは、、)


光の中から次第にシルエットが浮かび上がり

ボスの姿が見えてきた


(思ったより小さい、、、4m位か?)



今までのボス達はいずれも10m級が多いので、意外ではあったが、ニワトリ頭のボスやカマキリの体ボスは大きさより、厄介さ高い技量など、同格のボスより強い印象がある為

油断なく構え続ける直人。



シルエットが完全に現れゆっくり地面に着地すると光の柱が暴風を伴い弾けた


「ぬぅっ、くっ、、!」


足を踏ん張り、【斬魔刀】を盾にしながら閉じそうになる眼を薄めにしながらなんとか暴風から耐えていると、弾けた光の柱と共に強い殺気も霧散した。



静かに立つボス


正眼の構えに戻しつつ、戸惑う直人



1人と1体の間に静かな緊張感が高まっていた。



(そんな、、いや、、油断は禁物だ)



完全に姿を現したボス


魔法陣から数歩進むと足を止め、ゆっくり周りを見回した後、直人に顔を向けると


2本ある前足?で腕組みをし


盛大な鼻息を噴射しながら顔を少し上に傾け、大きく反るように胸を張った。


フシューー!!



(なんだコイツ、、

     スゴい偉そうなんだけど)



さっさと攻撃すれば良いのだが、実は、

ボスの姿を目視した途端、

油断しそうになるのをどうにか持ち直したまでは良かったが、

先制するにはどうにもやりにくい姿をボスはしていた。



(な、なんで、、そんな姿なんだよ!?)



そう、リズと直人が3日掛けて準備しないと勝てないRANK5のボスは


四等身の真っ白なモフモフの体に


大きな耳と耳の間に

     ちっちゃい王冠を頭に乗せて


大きくキラキラしてる目を持った。


可愛らしいウサギであった。

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