124話 新しい【武器】


「俺専用の【刀】??

  それってまさか、、、あの時の事を?」


胸の奥から湧き上がってくる思いを、どうにか押しとどめながらリズに問いかける


「はい!始まりの間にてマスターが

 刀に感動されていたのでどうにか導入

 出来ないかと連日試行錯誤しましたが、

 マスターが扱っても壊れない性能を持つ【刀】をどうにか実装出来ました!」


やはり、、、そうだった。

あの時の事を覚えてて、連日連夜、試行錯誤しながらここ3日間疲労で外への顕現が辛いほど頑張ってたのはコレの為だったのか、、

モグラ叩きをしてたとか言ってた自分を殴りたい!!


リズは恐らくあの時からいずれ【刀】を俺にに持たせてやろうと考えていたのだろう


だが


技術の問題や【刀】の強度が問題で所持出来なかった。


ステータスが上がれば上がるほどに難しくなって行った違いない


予想でしか無いが

RANK4の武器でも難しかったのだろう


だから


俺の魔力は使ったと言った



だが、作ったのは【リズ】だ


あの小さい身体で一生懸命


刀をベースに対人用では無くモンスターに通用する【打刀】や【太刀】を超える【魔刀】を創り上げたのだろう。


込み上げてくる熱い思いが胸を満たしていく



「、そ、そうか、、

   どうやったら、、

   だ、出せる、のかな?」


震えそうになる声をどうにか堪える。


「マスター?どうしました?」


武器に興奮わけでもなく、何処か様子がおかしい直人に、心配するリズ


「いや、何でもないよ

   それより、どうすれば良い?」


リズの《成果を》《想いを》早く見たい



「そうですか、なら良いのですが、、

   では、【魔装】を装備して下さい

   そうすると

   武器を所持してるイメージが

   浮かんで来ると思います。

   後は場所は手の届く範囲であれば

   何処でも良いので、

   鞘から抜くイメージで抜刀し

   顕現させれば大丈夫です!」


シュキン!と口で言いながらエア抜刀をするリズ←可愛い


「あぁ、わかった、、」


その可愛さに心を打たれつつ

ソファーから立ち上がり【魔装】を装備する

装備した瞬間に理解した

今まで無かった感覚

実際には何も無いのだが、

身体の側に力強い武器がある


「そうか、、コレが、、」


右手を顔の前にに出し、柄(つか)を握る

左手も顔の前に出し、鞘を掴む


後はそれを抜くだけ



両手をゆっくり左右に広げ、徐々に刀身が現れてくる、、半ばまで抜いた後、

一気に抜刀した。



第三者から見たら何も無い空間に刀を鞘から抜く動作をしたイタい奴だが直人が鞘から全ての刀身を抜くとそこには



現実に顕現した【魔刀】を握っていた。



とても力強く、白銀に輝く刀身があり


とても美しい、乱れ刃の刃文が青く彩られ


とても優しい、魔力が刀全体を纏っていた



刀と言うには余りに

      長く大きく厚みのある刀身


まさにモンスターを斬る為の【斬魔刀】


それを一目見たとき


目から溢れる涙が決壊した。



「リズ、、ありがとう、、」


突然号泣した直人は刀を持つ手をそのままに顔だけリズに向けてお礼を言った。


「わわっ!マスター!あっ、いえ

   喜んで頂き光栄です、、」


戸惑うリズだったが、最近も似たような事があったので、動揺は小さい

とりあえず喜んでる様なので安心したリズ


「素晴らしい、、、」


涙で視界がぼやけてるが、心なしか輝いて見えるその刀を時が止まったかのように見続けていた。

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