85話 強敵との戦いの先に在るモノ

力強く自分に喝を入れ駆け出した直人


一歩も動かず迎え撃つボスモンスター


両者は再び激突する


4つの鎌が前後左右から

繰り出され緩急をつける巧みな攻撃


目で追うな!


全体を見ろ!


五感で感じろ!


研ぎ澄まされた感覚が

そう訴えてかけてるようであった。


感覚に従い

目だけに頼らず体全体で感じることに意識を向けると、

空間を感じ取り、

視野が広かった、、、

その時、読めなかった軌道が見え始める。



直人(なるほど、 

    空間の奪い合い、

      テリトリーを支配する

         その先に攻撃がある)



一つ一つの空間を己のモノとする、すると、攻撃ではなく、相手の意思が見えてきた、

いや、感じると言った方が良い。


モンスターの意思


考えもしなかったが、


モンスターにも意思があり


明確な意思によって生まれる攻撃


無駄が無くどこまでも純粋な【殺意】


その意思が行動を生ませるのなら


それを感じ


理解すると


直人(ここだな、次はここ、そしてこう)


次々と繰り出される攻撃を、

受ける事も、弾く事も

必要無くなった。


嵐の様な斬撃の中を、ただ歩く


擦りもしない攻撃を続けるモンスターは

やがて目の前に来た敵対者に対し

全ての武器を総動員し、


7つの攻撃を一点に集中した直後



直人の姿が消え


一瞬の静寂が生まれた。


ツゥゥ、、、、、。


直後ボスモンスターは

総攻撃した姿勢のまま

頭部の中心から線が入り

徐々に二つに分かれ始め

ズッ、ズゥゥゥン、、、

左右にその体を両断された状態で沈黙した。


直人は2つに分かれてる中心で

手刀を振り下ろした姿勢のまま残心を取っていたが、、、



やがて構えを解くと



モンスターに一礼した。



一礼した理由は自分でもよく分からない


ただ、、、


何となく、、、



そうしなければならない気がした。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る