22話 想定外らしい


直人「しっかし、流石ボスだけはある、

   さっきのは

   結構全力だったんだがぁ、、

   でもコレで気兼ねなく

   色々試せるわ!!」



そう言うと


リズ《ちょ、ちょっと

   待って下さいマスター》


リズの静止する呼びかけを聞く事なく猛然と攻撃を再開した。


最初は右ストレートから始まり、フックやアッパー、胴回し蹴り、高くなったステータスを生かし、4M程飛び上がるとそのまま前方に回転しながらのカカト落とし、タックルや膝蹴り、それぞれが一撃必殺の威力はあるものの、金の卵は依然とした姿で直人の攻撃を受け続けていた。



攻撃し続ける事、数十分



直人「はぁ、はぁ、はぁ、」



ステータス制限解放、

職業取得し、職業熟練度もUP、

RANK上昇に伴い能力が上がってからは疲れ知らずではあったが、全ての攻撃が弾かれるのは己の肉体での攻撃である為、少なくないダメージが自分に返って来るのである


ステータス画面を開くと高いHPはわずかに減っていた、、、。


リズ《マスター!!

   このままでは

   倒し切る事は出来ません!

   装備庫に戻り攻撃力のある大剣等の

   近接武器での攻撃に切り替え、、》



ボスからの攻撃は無いが、超防御を誇る事で、攻撃する側が消耗する、そんな事態に改善策を提案するも



直人「いいや、リズ、コイツは

   恐らくあそこにある武器じゃ、

   無理だな、、、

   何となくだかそんな気がする」



リズ《そんな事が、、何故、、いえ、

   ならば一度体制を整える為、

   1度最初の広間に戻りましょう!

   (そうすれば、

    この階層も1度リセットするハズ)》



撤退するよう呼びかけるリズしかし、、



直人「うおおおおお!!!」



ステータス画面を消した直人は、気合いを入れる様に叫ぶと攻撃を再開した


リズ《マスター!!無茶です!》


攻撃しては弾かれる、それでも攻撃する事を止めようとは思わなかった、、、息が上がり、攻撃した手足が鈍く痺れるような痛みを感じる中、頭の片隅でぼんやり考える、、、


最初は体を動かすのが楽しかった、テレビの中で活躍するアスリートの動きを軽く凌駕し、アニメやゲームのキャラクターの様な動きをリアルに体現出来るんだから、、、


でも、今は違う


何か、コイツを倒せば忘れていた何かが取り戻せる、そんなに執念に似た何かに突き動かされてるのかもしれない、、


しかし


どんなに力を入れても、勢いを付けても、

傷1つ付かない正に鉄壁の守り、逆に攻撃してる側がダメージを受け続けてる、、、


【諦める】の文字が脳裏に浮かぶ。

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