愛でも哀でも逢でも

今日、

あんたのせいで目が覚めるほどの花の匂いがしてた。


錆と朽ち木とレースたっぷりのネグリジェ。

黄泉路のバスに対価を支払って、閑古鳥が鳴き疲れた停留所であんたは眠ってた。

ねえ、あんたって、呼び方も分からずに呼んだっけ。


あたしは拾う気分だっただけ。

あんたは拾われる気分だっただけ。


あの時からあたしは、

私は、

生命が透ける泥に塗れても、

あんたと、

あなたと、


一緒にいようって、願ったんだ。

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