ねえ、今どこ?
焼けたアスファルトの上にあたしを残して、
ねえ、
何処へ行ったの?
今年だってこの町は、やかましい蝉の声で静まり返っているのに。
たんぽぽを踏み潰して向日葵が口を開けてしまったわ。
あたし、まだあの時のアイスクリームを持ってるの。
ごめんね。
そう、持ってるんだ。
渡せなかった。
しょっぱい日差しに融けちゃって、
処女みたいにひらかれた脚の間から、真っ赤で真っ昏な血液がどろどろ伝った。
あなたのアイスクリームがきっと町で待ってる。
ねえ、今どこ?
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