9日目 『世紀末の魔術師』感想

 彼曰く、世紀末の魔術師へ送る魔法。


 ***


 劇コナン3作目です。ようやく馴染みのあるキャラクターが顔を見せてくれたので、コナン初心者の私としては安心です。劇コナン未視聴5作を初心者と言うかは微妙なところですかね?いいんです、テレビ版はほとんど記憶にないので。

 最近のコナンの推しは灰原です。哀ちゃんかわいいです!コナンとの絡みで素直じゃないところとか、「あなた結局そうするのね」っていうわかってる感出してるのがすごくかわいい。ツンデレっぽい印象もある彼女ですが、誰よりもコナンを信用しているからこそ出るセリフが何ともいじらしいです。ちょっと試すような視線とか、文句言いたげな顔とかたまらないですよね。中身はコナンと同じく年頃の大人っぽい女性。少年探偵団たちを優しく見守る姿やメタボ気味な阿笠博士に厳しい姿もいいですが、やはりコナンと一緒の時に見せる抜群のコンビネーションが素晴らしい。

 中身は新一なので蘭とくっついてほしいのは当然ですが、哀ちゃんともくっついてほしいなぁ~。



 134件の窃盗事件を世界中で行っている怪盗キッド。彼が次に狙う秘宝「インペリアル・イースターエッグ」の公開される鈴木財閥主催の展覧会で、彼を確保するための捜査会議が行われていた。その場には鈴木次郎吉の幼生で毛利小五郎も参加していたが、あまりの気迫に気後れしていた。

 大阪の会場に着いたコナン達が厳戒態勢に驚いていると、西の高校生探偵・服部平次が和葉を連れてやってきた。全員を連れ立って鈴木史郎会長を訪ねると、ロシア大使書記官・セルゲイ、美術商・乾、ロマノフ王朝研究科・浦思、フリー映像作家・寒川がいた。

 西野が持ってきたエッグを見て、中に使われているのが中ではなくガラスに引っ掛かりを覚えるコナン。大阪観光をしに行く蘭たちと別れて行動していたコナンと平次は、鈴木ビルに戻ってきたところで西野に申し出をしている女性を目にする。一方、平次の言葉で予告状の示す時間がアルファベットのLではなく、ひらがなのへ。つまり午前3時ではなく午後7時20分であること、キッドが現れるのは大阪城の天守閣ではなく通天閣の頂上であると気づく。中森警部がエッグの隠し場所を秘密裏に変えたことを知ったコナンと平次は、中森のもとへ急ぐが、先行して中森たちを眠らせたキッドにエッグを持っていかれてしまう。しかしキッドは追走する途中で何者かの銃撃を受ける。薬莢の落ちる音と怪しい男の影を見たコナンは、エッグとキッドの欠けたモノクルと発見する。


 翌日、鈴木への面会のため、昨夜西野と話していた香坂、沢部が来ていた。鈴木財閥の持つエッグは偽物だと主張する彼らの話を聞き、エッグが2つあるのではと推理するコナンは、エッグの裏にはめられた怪しげなガラス片を見つける。簡単に取れてしまったそれは隠し彫りになっており、香坂の祖父が建築した城が描かれていた。もう一つがこの城にあると推理する小五郎の話を聞いて城に来るよう香坂が相談をすると、商談に訪れていた人々も目の色を変えて同行を求める。


 鈴木財閥のクルーズ船で東京へ向かうコナンは、蘭たち女性陣のお茶会を楽しんでいた。話の流れで誕生日を5月4日だと言ってしまうと、蘭はコナンが新一ではないかという疑念を深める。その後、ロビーに出た一同。浦思は寒川が付けているペンダントがニコライ2世の3女・メアリーの貴重な指輪だと気づき、なぜ持っているのかを訪ねるも濁される。その晩、右目に銃撃を受けた寒川の死体が発見される。ヘリで訪れた目暮警部、白鳥刑事、高木刑事たちの捜査中、寒川の部屋で西野のボールペンが見つかり事情聴取を受ける。また寒川の部屋が荒らされていたことを聞いたコナンは、阿笠に依頼した調査で「スコーピオン」というロシア王朝の財宝を狙う指名手配犯がいると知る。一方、西野の部屋から盗まれたと思われる指輪が見つかるが、羽毛アレルギーの彼には犯行が難しい。小五郎をうまく誘導して推理を進めるコナンだったが、スコーピオンは逃走し、コナン達の向かう香坂家の城に現れるのではないかと思われた。


 そして香坂家の城に着いたコナン達。そこで待ち受けていたのは――。



 劇コナンを見ていない人、せっかくなのでこの先はぜひ映像で。


 先日知り合いのシナリオの手伝いみたいなものをさせてもらったとき、やはり文章で読んで感じる印象と、映像で見て感じる印象がだいぶ違うんだなと考えさせられたからです。文章で何かの映像を紹介するとき、どうしてもそれを見て感じたことが第一になる。そこから受ける印象などがその後に続くこともありますが、なかなか要点をまとめて伝えるのは難しい。伝えたい魅力が上手く言えなくて、他の部分の印象が強くなってしまうことが多いです。そうなると、作品を見たときと紹介文を見た時にどうしても誤差が生じる。仕方のないことがもしれませんが、誤差を作ったままで終えてしまうのはもったいないと思います。素のままの作品を、別の人の意見の何もない状態で見る方が得るものも感じることも豊かになる。先入観と他人の口コミに支配された脳が感じる印象は随分矮小なものに思えるのです。

 その区別ができる人ならいいかもしれませんし、私以外の人は出来るのかもしれませんが。どこに行くにも食べログやレビューを見て決めることの多い今だからこそ、何も事前知識のない状態で作品を見るのもいいかもしれません。退屈な日常に少なからずの衝撃があることでしょう。それがいい感想であれ、悪い感想であれ、何を感じるかはその人次第なのでそこまで責任持ちませんけどね。


 以上、セル画の雰囲気が慣れなくてずっと避けていたものの、劇場版コナンの初期作を最近になって一生懸命見て新しい発見に感動している、ただのオタクの意見でした。

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