14日目 『水平線上のストラテジー』感想

 彼曰く、蘭はいつも自分から危険な道に進むよね。


 ***


 豪華客船には何か事件が付きものなんですかね?そうイメージが私強いもので、ああいうのには乗るまいと思っています。

 今のところ豪華客船に乗る機会も、乗る予定もないんですけど。お金持ちになればあるいは……、いや、どうだろうか。車酔いはしなくても、船酔いはする人が多いと聞いたことがあります。酔って吐くのは車だけで十分なので、多分機会があっても乗らないでしょう。乗れたとしても事件に巻き込まれそうですし。(結局振出しに戻っている……)

『タイタニック』なんかはまさに豪華客船が沈む話だし、今年上映された『ナイル殺人事件』も豪華客船でしたね。以前に読んだ『テスカトリポカ』では、臓器売買の一翼を担う重要な拠点と目されて利用されていましたし。いいことないんですか?



 園子の計らいで八代グループの豪華客船「アフロディーテ号」に搭乗したコナン、蘭、小五郎、阿笠博士、少年探偵団の4人。クルーズを楽しむ中で、船内かくれんぼを始めるが、園子が何者かによって拉致監禁されてしまう。コナンの推理によって園子は無事だったが、今度は八代グループ会長の娘・貴江の刺殺体が発見される。同じころ、八代会長が行方不明になっていることが判明し、出動した目暮警部たちとともにコナンは捜査を始めるが、乗客600人の中から容疑者を割り出すのは困難を極めた。小五郎とともに捜査を進める中で、コナンは八代会長がマリーナのハッチから突き落とされた可能性が高いことを突き止める。ほどなくして海上で八代会長の遺体が見つかった。事件の真相をつかんだコナンは、ウェルカムパーティーの場で阿笠博士の声を借り、推理ショーを披露。シナリオライターの日下が犯人である証拠を示す。

 日下は15年前、「第一八代丸」沈没事故の犠牲となった航海士の息子であり、この事故が八代親子たちによる保険金詐欺のために仕組まれたものだと知り、復讐のために取材と称してアフロディーテ号に乗り込んでいた。

 刑事たちに迫られる日下だったが、機関室に仕掛けていた爆弾を起動させ、混乱に乗じて船から脱出する。コナンと少年探偵団の活躍で、逃亡は阻止され、日下も捕らえられたが、コナン達は危険な行為を目暮警部に咎められてしまう。その直後、目の前のアフロディーテ号で爆発が起こるのを目撃する。次々に起こる爆発で船腹から浸水を始めたアフロディーテ号から乗員、乗客が避難誘導されるなか、蘭は忘れ物をしたと言って、救命ボートから下りる。忘れ物を見つけることは出来たが、船体が揺れたはずみで頭を打ち、その場に取り残されてしまう。

 さらに、事件は解決していなかった。爆弾の数が多すぎることと、すんなり暴いたアリバイトリックに疑問を抱いたコナンは1人船に戻る。船には途中から独自に調査を進めていた小五郎が残っており、真犯人を追い詰めていた。

 真犯人は半月前に事故死した八代造船の船舶設計士・八代英人の部下で、アフロディーテ号設計グループ副リーダーでもある秋吉美波子だった。彼女は第一八代丸船長・沖田の娘で、日下から八代親子についてしつこく聞かれたことから沈没事故に疑問を抱き、その真相を知るに至る。そして日下の計画を知ると、その杜撰さを利用して事故にかかわった人物への復讐を手掛けていった。沖田について非難する文章を書いていた日下は、秋吉によって犯人に仕立て上げられたのだった。

 最後に船に残るアフロディーテ号船長・海藤を殺そうと水中銃を突きつけた秋吉だったが、真相を暴いた小五郎によって犯行は失敗。秋吉を追い詰めるもボコボコにされてしまう小五郎だったが、コナンの掛け声もあり、背負い投げで秋吉を制圧した。2人は秋吉を救命ボートに連れていくが、園子から蘭が戻っていないことを聞き、蘭を見つけるために再び船に戻る。小学校時代にかくれんぼが上手かった蘭が、船内かくれんぼで隠れていた場所を突き止めた2人は見事、蘭を救出。海上保安庁のヘリで救出され、一件落着と思われた。

 気流の乱れでヘリが揺れ、バランスを崩したコナンは船に落ちてしまう。舳先から小五郎に掴まろうと飛ぶコナン、腕を取り損ねてしまうが、意識を取り戻した蘭とブレスレットのおかげで脱出に成功する。蘭が取りに戻ったブレスレットは、空手大会優勝を祝して少年探偵団が贈ったものだった。救助されるコナン達の下、アフロディーテ号は渦に巻き込まれながら海に沈んでいった――。



 今回はストーリー全部書いちゃいました。珍しく小五郎が活躍した作品でしたね。インタビューによると、小五郎が単独で真相にたどり着くストーリーは原作・青山剛昌氏のアイデアだそうで。演じる神谷明氏も喜んでいたそうです。ラストの小五郎のアクションパートは冴えてましたね。「カッコいいお父さん」の感じが出ててよかったです。

 演出的にも『タイタニック』からのオマージュのような場面が多いみたいで、〆も温かいムード。ギャグで〆るイメージが多かったですけど、このおかげで大人でも楽しめるアニメの印象が付いたのかもしれません。

 鑑賞した記憶があまりないので印象に残っていませんでしたが、日下の露骨な犯人感は出しすぎじゃないかな~とも思いました。それがすべて伏線だったとは……。ちょっとつまらない要素も入れてこそ映える物語もあるということでしょうかね。勉強になります。

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