14日目 スパイダーマン2

彼曰く、力を手に入れたがための苦労。


 ***


『スパイダーマン2』

前回観たスパイダーマンの続き。

1作目はそこそこ、今作はまあまあ、と言ったところ。

さすがに昔の作品すぎるからか、ドキドキワクワクにあふれているとまでは言えないのが正直な感想かな。

でもそれも大人の感情を知っている今だからかも。


童心に帰ったつもりで観ると、当然面白いけどね。

スパイダーマンを正義の力として扱おうとする一方で、街の人間や友人には敵として見られている現実。

そのはざまにいるピーターの悩みは相当でしょうね。

”大いなる力には大いなる責任が伴う”というおじいさんの言葉は、ピーターの生き方に大きな影響を与えているのは前作からの流れですが、私が子供のころに聞いておきたかった言葉ですね。

別段大きな力も、権力も、財力も、政治力もないただの一般人ですが、ただ生きるよりも責任を持って生きることがいかに尊く難しいことかはわかります。

子供であっても、いや子供だからこそ、その重みを知っておいた方がいいというのもあるでしょう。

例えばネット社会、ネットリテラシーというのは、現代においては欠かせない能力の一つです。

機械を立ち上げれば、ボタン一つでネットの世界を泳ぎ回ることができる。

悠々と楽しく泳げる場所、潮渦巻く危険地帯、澱のように重たい深海部、太陽のエネルギーを知ることができる代わりに空と陸の脅威を感じる浅瀬。

ネットには入りやすいところも入りにくいところも、等しく公平に存在している。

そこに入ることも、入った先で脅威を受けることも、すべては入るボタンを押したユーザーの責任になる。

押すボタンは同じでも、行きつく先が天国か地獄かは、行ってみないとわからないことだってある。

両極端の選択を、私たちは随分と身近な場所で繰り返すことができるようになってしまったのだ。


事の重大性を理解するには遅すぎるし、だからと言ってすべてを制限するのは早計だ。

自分に与えられた、持つことを許された力をいかに使うか。

スパイダーマンを見るたびに、私はこれを考えざるを得ないんだろう。

そう考えると、映像の完成度にひと昔前の雰囲気が残っていても、ストーリーや世界観に残されたメッセージのインパクトと、当たり前のことの大切さに気付かされる。


「遅刻はしてはいけない」


なんてことも、心にとめておかないといけないことの一つだってこともね。

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