30日目 興味
彼曰く、すべてに興味を持つことは大事だけれど、たまには選択をしなければ。
***
本日のミスと言えば、ノートを家に忘れてしまったこと。
普段かばんの中身をすべて出すことはない。
出すとしてもパソコンだけ、それも充電しないといけないから。
必要に迫られないと物事を進めない質の私にとって、かばんの中身というのは興味の対象から外れているのだ。
入れるものが毎日変わるわけじゃないし、わざわざ出して次の日に入れるのが面倒だからというのも理由の一つではある。
オリラジの藤森は家に帰ったら必ずやることがあるそうで、それが所持品をカバンからすべて出すこと。
それぞれに所定の位置が決まっているそうで、鍵は玄関の棚、ノートなどは家の作業机など、細かく区分けしているらしい。
家に戻って早々やらないといけないことがあるというのは大変そうだ。
マネージャーのとびちゃん同様、私はかばんの中身を出す習慣はない。
だからたまたまかばんの中身を軽くしようと思って、外出直前で中身をひっくり返して何の気なしに「これは持っていこう」と直感で思ったものだけつかんで靴を履いたものだから、かばんに何が入っているかまでは興味の外だった。
とりあえず重いから、パソコンと『同志少女よ、敵を撃て』が入っているのだけ何となく感じていた。
財布とスマホ、イヤホンはかばんに入れた記憶があったからそれで安心してしまっていた。
カフェに付いてかばんの中身をあさってみてようやくノートを持ってきていないこ都に気が付いたのだ。
「あ、私持ってきてなかったっけ?」
周りに聞こえない程度の声で心の叫びを漏らす。
これだからアナログの不便さを感じてしまうのだ。
早いところiPadを買って、すべての作業をデジタル上でこなせるノマドワーカーのようになればいいものを。
ただ残念なことに、その形をとることに特別な意味を感じているわけではない。
つまるところ、あまり興味がないのかもしれない。
山に登ろうとしても、そもそも山の麓までたどり着こうとしない。
険しい道を進もうと思っても、まずそこに至るまでの道のりに乗ろうとすらしない。
乗れたとしても時間がかかりすぎる私である。
ただこれからもずっとそうなるわけにはいかない。
そう感じることが多々あったここ半年、いや社会に出て以来か。
とにかく私には物事を認識しても自覚しようとしない悪い癖があるらしい。
その癖を払拭するには今、動くべきなのだ。
とはいえ、とにもかくにもここにはものを書く環境が整っていない。
iPadを持っておらず、スマホのフリック入力ばかりだと(多分)イラついてしまう私にとっては今まで通り紙とペンが性に合っている、気がする。
すぐさま無印良品に走ってジェルインキボールペン(ノック式)と未ざらし雑記帳を買った。
ついでに切れかけていた洗顔フォームと、小腹満たしにバナナバウムも。
しめて930円くらい、細かい値段は忘れた。
スタバのコーヒー代と合わせてすでに1000以上の出費をしていることに嘆息しながら、
「今日くらいはいいか、日曜だし」
自分の中の両親を撫でまわして心を落ち着けてから、この日記を書き始めた。
1月も末、雲は多いけれど本日も晴天なり。
いつも通りだけど、心向きは少しだけ違う日曜日が今日も始まる。
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